「将来の夢はサラリーマン」に若者が感じるギモン 野球選手や医者に憧れた頃から夢が変わるなぜ

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また、俗にいうサラリーマン、または会社員といっても、メーカー勤務、出版社勤務、商社勤務、金融機関勤務、など業種によってだいぶ異なりますし、大企業・中小企業といった違いもあるでしょう。

したがって、サラリーマンとして1つにくくることの意味はありませんし、そう考えてしまうことで、それぞれの職業のディテールを見ることなく、思考が停止してしまうのは、非常にもったいないです。

さて、そのうえで「どんどん夢が小さくなる」とのことですが、これは小さくなっているのではなく、現実的になっているのであり、極めて普通のことです。むしろ誰もが通る道でしょう。

なぜそうなるのでしょうか。

それは小学生や中学生といった、職業に対するイメージをあまり持てない時期や、また自分自身の中での、そして社会の中でのアイデンティティが確立していない時期においては、自分が何者かもわかっておらず、加えて将来何者にでもなれる、という夢を持てるのが普通です。

繰り返しですが、それは自分自身のことも、社会のことも、そして社会との関係における自分の立ち位置すらも、見えていないからです。

とりわけ今の時代のようにSNSなどで著名人、有名人とつながっていると、自分とその相手が近い関係にあると勘違いをしてしまうケースが多々ありますから、なおさらです。

隣にいる彼・彼女ができたのだから、自分にもできて当たり前だ、というやつですね。

「何者にでもなれるハズだ」にズレが生じるように

ところが、歳を重ねるにつれ、そしてそれは往々にして、受験で初めて偏差値や、進学先という区分に直面し、なんとなく社会(といっても学生という身分のみによって構成された社会ですが)における自分のポジションを理解し始めた時期から、ぼんやりと自分の将来像が見え始めるのです。

「何者にでもなれるハズだ」から、「いやそれって無理ゲーでしょ」になるのです。

もちろん、小さい頃に思い描いていた夢を諦める必要もないのですが、多くのヒトは、目の当たりにした現実をベースに「夢の軌道修正」を図るのです。

夢の軌道修正を図ったヒトが皆不幸せかというと、まったくそんなことはなく、人によって異なります。

その前提で、「どうしたら楽しい将来像を描けるか」ですが、やることは1つしかありません。

自分と社会を知る、ということに尽きます。

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