現役時から信じられないほど成績を上げて、東京大学理科3類に合格したヌルヌルさん。浪人してよかったことを聞くと、「学校の勉強に対するコンプレックスがだいぶなくなったこと」、落ちた理由について聞いてみると「単純に学力が足りなかっただけ」と答えてくれました。
「勉強時間はあれ以上増やせなかったと思いますし、何度も大学に落ちてしまったことは仕方ないことだと思います。あまり受験勉強を頑張った意識はなくて、ほかにすることがなかったからやっていたのだと思います。機械のように、粛々とただやっていただけですね。成長する自分を喜ぶというのではなく、精神的につらいことも意外と楽しいものなのだという意識で勉強をしていました」
東京大学に入ってからのヌルヌルさんは、最初の2年はボクシングに熱中したそうですが、そこから2年間長期入院します。そのあとの2年は2ちゃんねるのオフ会に出続ける生活を送ったそうで、「殴り合いの2年と、闘病生活の2年と、オフ会の2年」の大学生活を送ったそうです。
コンプレックスもなくなった
現在は東京大学医学部を卒業し、20年間医師を続けているヌルヌルさんは、最後にこう語ってくれました。
「ボクシングをやっているとき、同期に『こんなに他人とコミュニケーションを取れないやつは見たことない』、後輩には『怖くて喋れない』と言われていました。でも、大学生活の後半で2ちゃんねるのいろんなオフ会に出続けていたためか、なんとか今はコミュニケーション能力が(浪人する前に)回復したと思います。
大学時代はあまり勉強できていなくて、ほぼドロップアウトしてたようなものですが、それでも進級できて、卒業もできました。浪人は直接、今の人生にあまり関係ないかもしれないですが、コンプレックスがなくなったのはよかったですね。いろいろ(人生が)不安でも、なんとかなるんです」
「医師になる気はまったくなかったものの、しょうがないからズルズル続けている」と語る彼は、浪人の日々によって培った忍耐力と楽観性で、現在の仕事も粛々とこなし続けることができているのだと思いました。
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