この年、記述模試を1年で6回受けたヌルヌルさんの成績は夏以降も受けるたびに上がり続けたそうですが、惜しくも慶応の医学部には届かず、2浪する決意を固めました。
「(2浪を決断したのは)受かる気で勉強したけど、落ちちゃったんで、仕方ないかなという感じでした」
こうしてヌルヌルさんは2浪に突入します。この時点で彼は、自分の学力の伸びを考慮して、「どうせなら」と日本最高峰の環境を狙う決断をしました。
「慶応医学部は倍率20倍になるような年もあります。その年の受験者数の変動で難易度が変わるというような運の要素も入ってくると思ったので、それなら東大理3を目指してもいいかなと思い、第一志望に設定しました」
自宅浪人で成績伸ばした勉強法
この年はもう予備校に通うのはやめ、石川県に戻って自宅浪人をしていたそうです。
彼の勉強法は「とにかく片っ端から参考書をやること」でした。
「実家から徒歩15分のところで一人暮らしをしていました。理3を受けると決めて、センター試験で5教科7科目を受ける必要ができたので、社会や、国語、英語のリスニングを新たに勉強する必要が出てきました。
それらの科目は一度もやったことがなかったですが、本屋に行って、参考書を片っ端から買って勉強しましたね。国語の参考書は100冊くらいやったと思います。地方で情報もないので、勉強法は適当だったのですが、1日10時間くらいは勉強していました」
マーク模試の成績も上がり続けていたようで、9割は確保していたと語るヌルヌルさんですが、残念ながらこの年はセンター試験でひどい目にあった記憶があるそうです。
「センターの点数を詳しくは覚えていませんが、後期試験で京都大学の医学部に出して足切りをくらったので、その程度の点数です。前期で東大理3を受けましたが、足切りをくらった時点で、すでに落ちていることがわかっていたので、その時点で3浪が確定しました」
この年は、実質東京大学理科3類の単願だったヌルヌルさん。つねに自分の能力を高めることを考え、上の目標に向かい続ける姿勢はすごいものですが、ほかの大学に進もうとは思わなかったのでしょうか。
実は彼が浪人を続けた理由の1つに、「学校の勉強に対する負い目」があったそうです。
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