思わず共感抱く「清少納言が怒った」"あるある話" なかなか帰ってくれない客、やる気ない態度…

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時には、人間以外のものに向けられることもあります。例えば蚊です。蚊は、眠くてたまらなくて、横になったときに、ブーンと唸って顔の辺りを飛び回ります。小さい体にもかかわらず、ご丁寧に羽音まで送ってくるのがとても憎たらしいと記します。

これは、夏には誰しも経験したことでしょう。最近、蚊もめっきり少なくなったように感じるので、若い人はあまり経験ないかもしれませんが……。

蚊だけではなく、虱(しらみ)も憎たらしいと清少納言は書きます。現代人の大半は、あまり馴染みがないかもしれません。着物の下をピョンピョン飛び回り、着物を持ち上げるように動くのが、清少納言は腹立たしいと書くのです。清少納言の着物の下に、虱がいることをあまり想像したくはありませんが……。

長烏帽子の男や、板戸を開ける様子にも怒り

人目を忍んで通ってくる男を知っていて、吠えたてる犬も、清少納言の憎しみの対象になっています。せっかく人に見つからないような場所に迎え入れたのに、一緒に寝ている最中に、イビキをかいて寝ている男も、「人の気も知らないで、憎たらしい」。人目を忍んでやって来る男で、さらに長烏帽子を被ってくるのも、清少納言に言わせれば「気が利かないことおびただしい」と言います。

人に姿を見られないようにと、慌てて邸に入ってくるときに、長烏帽子が物に当たり、ごそごそ音を立てるのが、清少納言には憎たらしく感じたのでした。

板戸を手荒く開けるのも、清少納言のひんしゅくを買うのでやめたほうがよいでしょう。

清少納言の怒りの対象は、まだまだあります。恋愛関係になっている男性が、昔の想い人のことを話し始め、褒めたりするのも、昔のこととは言え、腹立たしいと清少納言は語ります。男性は、案外、そうしたところが無頓着なのでしょうか。

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