トコジラミ50回刺された専門家"うそ寝作戦"とは 今年の夏は増加?「1匹でも持ち帰ればアウト」

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トコジラミが増殖しまくると何が起こるのか。住人の手に負えないほどトコジラミが繁殖した恐るべき事例を紹介しよう。

「本当にひどい場合だと、家中が黒く汚れてしまうんですよ」

公益社団法人・東京都ペストコントロール協会の会長で、トコジラミの駆除を手掛ける「ヨシダ消毒」(東京都練馬区)の清水一郎代表取締役がそう言って写真を見せてくれた。

ハンガーのかかった白い壁一面に黒いシミのような点がついている。吸血したトコジラミの血糞(けっぷん)だ。棚の隅を写した写真には、100匹ほどのトコジラミが小エビの佃煮のようにへばりついていた。

ここまで繁殖してしまうケースは介護を必要とする独居老人の住まいが典型例で、その増加が水面下で社会問題化しているという。

住人は毎晩刺されまくるが、あまり刺されると皮膚反応はほとんど出なくなる。そのため、トコジラミがいても気にならない。

「でも、トコジラミを持って帰ってしまうと、訪問するヘルパーさんやお医者さんは嫌がります。そこで、福祉事務所から駆除を依頼されるわけです」(清水さん)

老人ホームからの駆除依頼も増えている。病院からの依頼もある。

「入院する患者が衣類を持ち込む際、スーツケースのすき間にトコジラミが潜んでいて、それが繁殖してしまう」(同)

トコジラミをあぶり出すには?

忍びの達人・トコジラミを発見することは難しい。超高級ホテルであっても、トコジラミ被害は頻繁に起きている。しかるべき手は敵が大繁殖する前に打たなければならない。トコジラミにどう対抗すればいいのか。

夏秋医師が提唱するのが、「うそ寝作戦」だ。

部屋を暗くした状態で30分ほど寝たふりをする。トコジラミがいれば、吸血するために人間に近づいてくる。30分ほどして照明をつけ、本当にいるのか、寝具まわりを確認するのだ。

この「うそ寝作戦」を3晩決行して見つからなければ、トコジラミはまずいないという。

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