トコジラミ50回刺された専門家"うそ寝作戦"とは 今年の夏は増加?「1匹でも持ち帰ればアウト」

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トコジラミ以外の吸血性の昆虫も同様だが、通常、2、3回刺されないと赤い発疹やかゆみなどの皮膚症状は表れない。吸血昆虫の唾液腺物質に対するアレルギー反応が起こらないためだ。

2、3回トコジラミに刺されて症状が出るようになっても、「遅延型反応」といって、刺されてから症状が出るまでに2、3日かかる。

「つまり、宿泊先でトコジラミに刺されても、その時点では何も症状が出ないので、トコジラミの存在に気がつかないのが普通なんです。無防備なまま、トコジラミが荷物や衣類に紛れ込んでしまい、自宅に持ち帰ってしまう」(同)

トコジラミは暗がりを好む。スーツケースや衣服のジッパーの両脇のすき間に入り込むことも多いが、この部分を広げて確認しなければトコジラミに気づかない。

ちなみに、トコジラミは吸血のたびにベッド周辺のすき間と寝ている人の間を往復することが多いので、ベッドから離れた入り口付近やバスルームに荷物を置くだけで、トコジラミを持ち込むリスクはかなり減る。

1匹のメスが200個以上産卵

トコジラミの繁殖力はすさまじい。多くの昆虫のメス同様、トコジラミは1回交尾すれば、2度と交尾せずとも卵を産み続ける。1匹のメスは生涯200個以上も産卵する。

「つまり、1匹でも交尾したトコジラミのメスを持ち帰れば、アウトです」(同)

トコジラミに刺されれば、顔や首、手などの露出部分に赤い発疹やかゆみが出て、「虫刺され」には気づくだろう。しかし、昼間は寝具や家具のすき間に潜むトコジラミの姿を見ることはない。

「いつどこで何の虫に刺されたのかわからない状態が続きます。そのため、『トコジラミに刺された』と言って、皮膚科を受診する人はまずいません」(同)

皮膚科の医師でも、症状を見ただけで「トコジラミが原因」とはなかなか言い切れないという。

「何かの虫刺されでしょう、と診断されることが多いと思います」(同)

原因がわからなければ、対策もできない。その間にもトコジラミは増殖し、室内のさまざまな場所にはびこってしまう。

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