介護費を兄が工面、脳出血になった独居弟の苦悩 「体は資本」老後まで使い続けるなら過信は禁物

✎ 1〜 ✎ 26 ✎ 27 ✎ 28 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

40歳以上の人は、特定健診の結果でメタボリックシンドロームのリスクがあると「特定保健指導」が受けられます。病院で治療が必要になる前の段階で、保健師などから運動や食事など、生活習慣の改善についてアドバイスを受けることができます。

少なくとも、塩分過多や脂質過多など食生活の乱れ、運動不足、夜更かし続き、喫煙習慣などの不摂生が続いている人は、生活習慣を見直す努力をしましょう。

昔から「体が資本」といわれるのはその通りで、何をするにも元気な体があってこそ。体という資本を、老後まで快適に使い続けるには、適度な運動や栄養バランスの良い食事を心がけ、ときに必要なメンテナンスをしながら、悪いものが蓄積しないよう注意することが大事です。

サプリメントに頼るのは×

こうした生活習慣の改善を、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品などに頼る人がいますが、それでは根本的な解決にはなりません。

健康の基本となるのは、運動、食事、睡眠です。

血糖値が高い状態が続いている人が「血中の糖を減らす効果があるサプリを飲んでいるから、運動しなくても大丈夫」などと考えるのは正しくありません。健康食品で症状を治すことは「できない」と考えてください。

昨今、製薬メーカーの健康食品による健康被害の一件から、機能性表示食品の安全性が問われていますが、健康食品の多くは特定の成分を濃縮したもので、摂取のしすぎはよくありません。

この連載の一覧はこちら

病気や症状を治す効果があるのは、医師の診断・処方に基づいた医療用医薬品です。薬局・ドラッグストアで売っている市販の医薬品の一部も同様の効果がありますが、長期間にわたって自己判断で摂取するのはお勧めできません。

生活習慣を改善できるのは、他ならぬ自分しかいません。繰り返しになりますが、生活習慣病の予防には、定期的な健診と正しい生活習慣のセットが欠かせないのです。

現役世代にも潜む生活習慣病のリスクを軽視し、「こんなはずじゃなかった」ということにならないためにも、ぜひ日頃から心がけてほしいと思います。

(構成:ライター・松岡かすみ)

中村 明澄 向日葵クリニック院長 在宅医療専門医 緩和医療専門医 家庭医療専門医

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかむら あすみ / Asumi Nakamura

2000年、東京女子医科大学卒業。国立病院機構東京医療センター総合内科、筑波大学附属病院総合診療科を経て、2012年8月より千葉市の在宅医療を担う向日葵ホームクリニックを継承。2017年11月より千葉県八千代市に移転し「向日葵クリニック」として新規開業。訪問看護ステーション「向日葵ナースステーション」・緩和ケアの専門施設「メディカルホームKuKuRu」を併設。病院、特別支援学校、高齢者の福祉施設などで、ミュージカルの上演をしているNPO法人キャトル・リーフも理事長として運営。近著に『在宅医が伝えたい 「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと』(講談社+α新書)。

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事