日活は「妙義山」のような映画会社を目指す 「極道大戦争」宣伝プロデューサーに聞く

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(C) 2015「極道大戦争」製作委員会

――今後の展開は?

この作品は日本初となるMX4Dによる上映が行われます。これは、これまでの3Dという立体上映にプラスして、座席が動いたり、水が飛び出したり、風が吹いたりと、よりアトラクション的に映画を体感するシステムです。ある意味で映画の見方を変えるシステムになるのではないかと思っています。TOHOシネマズさんがMX4Dを、富士見、新宿、六本木と展開していく中で、この作品で日本映画初のMX4D上映をしませんかというご提案をいただきました。やはりそれが今後の宣伝のキーポイントになるかなと思っています。映画の新しい楽しみ方として、若い人に観てもらえたらいいなと思っています。

日活は“妙義山”な映画会社を目指す

――ここからは映画会社としての日活のスタンスをお聞きしたいのですが。『八日目の蝉』『DEATH NOTE デスノート』『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』といった作品では、配給は別の会社が行い、日活は制作会社として参加しています。一方で、『極道大戦争』のように制作・配給の両方を日活が担うケースもあります。このあたりのバランスはどのようになっているのでしょうか?

そこに関しては軸が2つあり、両方とも半々くらいで行っているといった感じですかね。当然、タイミングによっては自社配給でするものもあります。今で言うと、自分たちで配給までする作品が多少、多いかなという感じではあります。ただ、そこはどちらか一辺倒にするものではないと思っています。

――最近では、数百館規模の大規模公開作品と、単館系の中間規模となる映画の公開作品が少なくなっていると言われています。日活配給作品はそのあたりの中間的な公開規模を狙っているように思うのですが。

確かに自社配給はそこにいっているかなと思います。100館いかないくらいの中規模作品が多いかもしれないですね。そのぐらいの規模だからこそできるチャレンジもあると思います。やはり全国で300館というような規模になっていくと、原作がどれだけ売れているかとか、ドラマが人気があるとかいうような、ある程度の担保が必要になります。もちろんそういう大きな作品は絶対に必要だと思いますが、そうではないチャレンジングな作品も映画の多様性の中で必要だと思います。

これは個人的な意見ですが、われわれは富士山でなくて、妙義山(日本三奇勝に数えられ、奇岩怪石が林立する名勝)になればいいと思うんです。当然、富士山になれたらいいなとは思いますけど。日本で2番目に高い山はどこか、というのはなかなか言えないじゃないですか。しかし、妙義山なら変わった形なので、知っている人も多いんじゃないかと思うんです。そういった面白さはあるかなと思います。

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