「ベルマークをやりたい人だけでやる形にしたら、活動がより活発になった」という話も、実際にいくつかあります。
たとえば、この連載に何度も登場している大田区立嶺町小PTOでは、あらゆる活動を「やりたい人がやる形」で行っています。ベルマーク活動も例外ではなく、「ベルママ」というステキな活動名のもと、多くの母親たちが楽しく参加しています(興味のある方は、以前筆者が書いたこちらの記事をご覧ください)。
岡山市立西小学校PTAもしかりです。ほかの活動と同様に、ベルマーク活動も「やりたい人がやる形」にしたところ、収集点数が格段にアップして、全国3位という快挙を成し遂げたそうです。どこのPTAでもこんなふうにベルマーク活動をできたら、とても理想的ですね。
なお、今回ベルマーク教育助成財団に取材をした際に、「参加したくない人には強制しないよう、財団からコメントを出していただけませんか?」とお願いしてみたところ、「それはできません」との回答でした。確かに強制的に活動をさせている(もしくは、強制の空気を作っている)のはそれぞれのPTAであって、ベルマーク財団さんではありませんから、仕方がないところですね……。
米国の「BOX TOP」は1種類のみ!
さて、ではここで「ベルマーク活動を取りやめるのでなく、やりたい人だけで行う」と仮定しましょう。
その場合でも、現在のやり方はさすがに見直してもいいのではないかと思います。「何にでも効率を求めすぎるのはよくない」という考えもあるでしょうが、さすがにここまでの非効率は誰も望んでいないかと……。
たとえば、アメリカには「BOX TOP」という寄付の仕組みがあります。これもベルマークと同様に、商品パッケージに印刷されたマークを集めると、自分の学校の備品を購入できるというものです。
ただしこちらは、1枚10セント(約12円)。ベルマークと比べるとずっと高額ですし(ベルマークは1円前後が多い)、種類もひとつだけです。60近い会社ごとに分類して、さらに点数ごとに分けて、鼻息をひそめながら台紙に貼る……などという手間はいっさいありません。
日本には「細かい作業好き」な人も多いので、「BOX TOP」ほど効率化しなくていいかもしれませんが、せめて、ベルマークと「BOX TOP」の“中間”くらいにはできないものでしょうか。
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