投資初心者の9割が陥る「高配当株」選びの5失敗 優良企業でも「なんとなく買う」と損することも

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

スリーエム自体は素晴らしい企業ですが、売上や利益が伸びないまま投資家の評価が低くなり、さらに利益が大きく上がっていないのに連続増配や自社株買いを続けることによって配当の安全性も年々低くなってきています。

このように、業績頭打ちの状況で何か利益を減らすようなイベントが起こると、株価は大暴落し、最後は減配してしまうことがあります。

そのため、私としてはどんなに成熟した企業でも売上・営業利益・最終利益が少しでも前年を上回るように推移している方が望ましいと考えています。

借り入れの返済能力があるか

注意点② 借り入れが多く利払いが利益を圧迫している

財務状態の悪化も見過ごせません。借り入れ=利息の付いている借金のことを有利子負債と言います。この有利子負債が多い企業ほど株価下落のリスクがあります。

特に近年は世界中の国でインフレを抑えるために金利高が続きました。米国は2022年から23年の夏までに1年半で0%から5%に政策金利を引き上げてようやく止まりそうな気配に。日本も長らく続いたゼロ金利政策を修正する流れになっています。金利が上がると企業が抱える借金の利息も上がりますので、それが利益を圧迫します。

高い配当を出す企業は、ただでさえ企業の外に出ていくお金が多いので、さらに負債の負担まで増えると株価下落のきっかけになります。

ただ、借り入れが多いこと自体は必ずしも悪いことではありません。借金をしてまでも会社の事業を伸ばすチャンスなのであれば、借り入れが必要な時もあります。

次ページ配当利回りが異常に高い場合は背景を考える
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
作家・角田光代と考える、激動の時代に「物語」が果たす役割
作家・角田光代と考える、激動の時代に「物語」が果たす役割
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT