
2月中旬以降、冴えない動きを続けている日本株相場。年初には一時4万円台を回復した日経平均株価は、3月11日には3万6000円を割り込む水準まで下落した。
冴えない株価の背景にあるのが、アメリカのドナルド・トランプ大統領の動向だ。2月1日にカナダ、メキシコ、中国に対して追加関税を課す大統領令に署名してから、さまざまな関税案を出したり引っ込めたりしている。株式市場はこれに揺さぶられ、上値の重い展開が続いてきた。
さらに3月9日にはニュース番組で、トランプ大統領がアメリカ経済について「過渡期にある」とコメントしたことで、市場ではリセッション(景気後退)入りの思惑が台頭。日米の株価指数を大きく下押しする結果となった。
今後も、トランプ大統領の発するメッセージは株式相場を大きく揺り動かすことが予想される。経済の先行きに不透明感が高まっている状況では、株価の本格回復は期待しにくいのが“相場のつね”だ。
配当狙いの購入なら27日までに
一方、3月も中盤に入り、日本の上場企業の過半を占める3月期決算企業にとって決算期末が迫ってきた。権利付き最終売買日に当該企業の株式を保有していれば、配当や株主優待などの“恩恵”を受け取る権利が得られる。値上がり益が見込みづらい環境下では、こうした株主還元の“恩恵”を狙うのが、投資リターンを高める有力な手段となる。
そこで本記事では、3月期決算の会社を対象に、年間の配当利回りが高い企業をランキングにまとめた。会社によっては中間期と期末などに分けて配当を出すケースがあるので、留意いただきたい。
なお、権利付き最終売買日は権利確定日(通常は決算期末日)から2営業日前に設定される。2025年3月31日が期末日の会社は、3月27日が権利付き最終売買日となる。3月28日に株式を購入しても今期末の配当は得られないので、注意が必要だ。
ランキングを概観すると、5位までが利回り7%超え、22位までが利回り6%超えとなった。前述した3月の株価急落によって「配当÷株価=配当利回り」という計算式の分母が小さくなり、利回りの面で妙味が高まった銘柄が多そうだ。