「休日はのんびりお風呂」入浴で疲れがとれる理由 「休養学」博士が解説"知って得する温浴の効能"

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お風呂の温度は人それぞれ好みがあると思います。

私が心地いいと思うのは38度から40度です。しかしそれより少し熱めの42度くらいのお風呂に入ると、「ヒートショックプロテイン(HSP)」という細胞の損傷を防いでくれるタンパク質が出てくるといわれています。

ヒートショックプロテインに関してはいろいろな論文がありますが、40度のお湯に15分くらい入っても出てくるという報告もあります。あまり厳密に考えず、気持ちよいと思える温度のお湯につかるのがいいかもしれませんね。

ただし、42度くらいの熱めのお風呂に入ると、交感神経が優位になり寝つきが悪くなることもあります。朝風呂ならともかく、寝る前は40度くらいのお湯に15分入るか、さらにぬるいお風呂にゆっくりつかるほうが副交感神経優位になるのでおすすめです。

温泉で楽しく疲れをとる

天然の温泉に入るのもよいですね。お湯そのものの成分で疲れがとれることも科学的に証明されています。

天然温泉に行くと温泉の種類や効能が表示されていますが、「炭酸泉」とあるのはお湯に二酸化炭素が含まれているものです。人間の体は二酸化炭素を皮膚から吸収すると血管が拡張し、より血行がよくなるのです。

温泉の中にはラドンを含むものがありますが、これは放射能を含む放射性物質です。「放射能」と聞くとギョッとするかもしれませんが、微弱な放射能は体に刺激として与えると、抗酸化効果とか免疫向上など健康効果が期待できると報告されています。これをホルミシス効果といいます。

最近は街中にも日帰り温泉施設が増え、手軽に温泉が楽しめるようになってきました。こういった温泉施設にもなかなか行けないという人でも、家庭の浴槽に温泉成分入りの入浴剤を入れたりするのはどうでしょうか。好きな香りの入浴剤をそろえてみると、入浴時間がより楽しくなるはずです。

片野 秀樹 博士(医学)、日本リカバリー協会代表理事

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かたの ひでき / Hideki Katano

東海大学大学院医学研究科、東海大学健康科学部研究員、東海大学医学部研究員、日本体育大学体育学部研究員、特定国立研究開発法人理化学研究所客員研究員を経て、現在は一般財団法人博慈会老人病研究所客員研究員、一般社団法人日本未病総合研究所未病公認講師(休養学)も務める。日本リカバリー協会では、休養に関する社会の不理解解消やリテラシー向上を目指して啓発活動に取り組んでいる。編著書に『休養学基礎:疲労を防ぐ!健康指導に活かす』(共編著、メディカ出版)。

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