「食べない栄養」で体を休める
疲労回復や疲れにくい体をつくるのに、食事も大きな影響を与えます。こういうと「栄養のバランスのとれた食事をすればいいんでしょう?」と思うかもしれません。
しかし休養学では「食べないこと」や「食事の量を減らすこと」も重視します。食べすぎないことが体を休めることになると考えるからです。
ですから、休養のために何か特定の食べ物をすすめるというようなこともしていません。
現代社会では食べ物がない栄養不足の害よりも、むしろいつでも豊富な食べ物が手に入るため、「食べすぎ」の害のほうが大きくなっています。
私は「食べない栄養」というものがあると思っています。
たとえば正月三が日はご馳走をたらふく食べるでしょう。しかしその後は七草がゆを食べて胃を休めます。こんなふうに、体の消化器系を休ませたり、老廃物を排出するデトックスに焦点を当てたりするほうが重要です。
無理に食べない、軽い食事で済ませることのほかに、白湯(さゆ)などで体を温めるのもいいですね。
「栄養をとる」という足し算の考え方ではなく、いかに栄養摂取を控える機会をつくるかという引き算の考え方をもってほしいと思います。
ちなみに最近では「時間栄養学」も注目されています。
これは、食事をとる時刻によって、生体時計を調整することができるというものです。
これまで主流だった「どんな栄養をとるか」という考え方ではなく、「いつ食べるのか」に着目したアプローチといえます。
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