「連絡はFAX」高校野球界の"昭和にも程がある"現状 デジタル化が進む一方で「取り残されている」

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分厚いMOディスクを手にして本当に困ってしまった。これが使えるオフィスは、ファクシミリ以上に少ないだろう。このときは、知り合いの出版社に頼み込んで処理してもらった。

大手出版社は、いまだにファクシミリ、MOドライブ、フロッピーディスクドライブを一通り稼働状態で置いているところが多い。ベテランの作家やライターなどで、頑なにこうしたメディア、通信手段を使う人がいるからだ。

画像はイメージ(写真:筆者撮影)

こうして紹介していくと「デジタル化から取り残されたお年寄り」の話かと思うかもしれないが、地方高野連でアナログでレトロな対応をするのは、還暦過ぎの筆者などより若い人たちだ。働き盛りの世代のはずだが、デジタル関係にからっきし弱い人が結構いるのだ。

「あとでメールでデータをお送りしますよ」と言うと「あ、おれ、こういうの苦手なんだ」とキーボードを叩く手つきをする指導者もいる。こういう人でもスマホは持っているが、通信手段以外には使っていないのだろう。高野連の公式サイトを見ることもないだろうし、ネットメディアのスポーツニュースにも疎いのではないか。

一部の指導者が「取り残されている」

デジタル・デバイドによってメディア対応が滞るのも問題だが、一方で急速にデジタル化が進んでいる中で、一部の指導者が「知らないうちに取り残されている」のは、さらに深刻だろう。

今、中学、高校などアマチュア野球の世界では、野球の技術やスポーツマンシップ、トレーニング法、健康管理まで、さまざまな専門家がネットで情報発信している。専門家の中にはZoomなどを使ってウェブセミナーを開いたり、グループサロンなどで勉強会をするようになっている。

筆者もときどき参加するが、Zoomの講習会に参加する指導者は、決まって「意識高い系」の指導者だ。顔ぶれはどこでもだいたい決まってしまう。講師の中には「本当は、ここにいない先生方に聞いてほしいんですけどね」などと言う人もいる。

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