また、東京都のスタートアップ支援関連の事業予算には、有楽町駅前に5月に本格的にオープンする支援施設「Tokyo Innovation Base」の運営費24億円なども含まれている。同施設は、スタートアップ企業と多様な関係者をつなぎ、アジアの諸都市に比べても後れをとっているスタートアップ企業の創出を目指している。
愛知県や山梨県は独自のスタートアップ支援施設で追随
ランキングの2位には愛知県が入った。官民共同で実施する「STATION Ai」のプロジェクトに対する費用が大きくなっている。STATION Aiプロジェクトは、名古屋市内に2024年にオープン予定のスタートアップ支援施設のこと。国内外のスタートアップ支援機関や大学、企業と連携して、オープンイノベーションの促進を図る計画となっている。
合計予算128億円のうち、STATION Aiに108億円をかけているため、この金額を差し引くと約20億円規模となり、3位の大阪府との距離は近くなる。
3位の大阪府は2025年に開催予定の大阪・関西万博と連動した施策が目立つ。例えば、「空飛ぶクルマ都市型ビジネス創造都市推進事業費」として計上された、3億9000万円の支援などがあげられる。万博でも活用する予定の空飛ぶクルマの離発着場の支援や、飛行実証に必要な経費の補助などを行うものだ。
東京都や愛知県などの大都市圏だけでなく、スタートアップ支援施設に取り組む都道府県がある。2025年度中を目指して整備を進めている山梨県だ。山梨県立青少年センターの本館の改修をおこなう形で整備を進めており、今年度は12億円余りの予算を組んでいる。この結果金額規模は膨らみ、東京、愛知、大阪に次ぐ4位にランクインした。
【2024年5月1日15時40分追記】初出時、神奈川県の支援金額に誤りがありました。お詫びして3ページ目の図表を修正いたします。神奈川県の順位は6位となります。
いくつかの自治体は、スタートアップとVC、民間企業等の関係者が一同に会する大規模スタートアップイベントの開催に予算を確保している。京都府は夏に開催予定のIVSという大型イベントの実行委員会に、また静岡県も夏に開催予定のTECH BEAT Shizuokaというイベントの実行委員会に入っている。東京都もSusHi Tech Tokyo 2024のプログラムの一環で有明でグローバルイノベーションカンファレンスを開催する予定だ。