実は仕事ができない「論理的すぎる人」の深刻問題 「論理」と「直感」のバランスで仕事はうまくいく

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補完関係とは、いわゆるコラボの関係と私は考えています。たとえば異なる2社がコラボして商品開発したりマーケティング施策を打ったりする事例はたくさんありますが、それが成立するのは両社が補完関係を築くことで単体ではできないことが実現できるからです。

直感と論理はコラボの関係。そう考えると、「直感派or論理派」と分類してしまうことがいかに愚かなことかわかるはずです。

攻めの直感、守りの論理

私は直感と論理を状況で使い分けています。あくまで私個人の価値観であり、あなたに押し付けるものではありません。具体的には次の通りです。

・攻めのときは直感
・守りのときは論理

ビジネスには「攻めるとき」と「守るとき」があります。たとえば会社員を卒業して起業したタイミングは「攻めるとき」でしょう。そんな状況においていつまでも冷静かつ論理的に状況分析し、慎重に正解を探そうと時間を費やすことに意味はありません。まずは直感を信じてどんどん行動し、たくさんの“間違い”を体験することが成功の最低条件です。

逆に経営が苦しい状況は守りのスタンスが必要でしょう。ここで直感だけで闇雲に行動することは傷口を広げることになりかねません。現状を打破するためには、数字をしっかり見て論理的に解決手法を探る仕事が重要です。

ビジネスがうまくいかない人はたいてい、今は攻めるときなのか守るときなのかがわかっていません。直感と論理のバランスが悪いのです。成果を出す人は、絶対にここを間違えません。

唐突ですが、あなたは稲盛和夫氏をご存じでしょうか。若くして創業した京セラを世界的企業に成長させ、第二電電(現KDDI)を設立、破綻の淵にあった日本航空を再生するなど、その多くの功績から「経営の神様」と称えられた人物です。その稲盛氏の言葉に次のようなものがあります。

「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」

個人的にとても好きな言葉です。この言葉をお借りし、私なりの解釈を加えるとこうなります。

「攻めの姿勢で構想し、守りの姿勢で計画し、攻めの姿勢で実行する」

「直感的に構想し、論理的に計画し、直感的に実行する」

構想と行動は直感も頼りにし大胆にすべきですが、計画は論理を頼りにして慎重に。直感と論理のバランスがいいとはどういうことかという問いのひとつの答えになっているように思いますがいかがでしょうか。

深沢 真太郎 BMコンサルティング代表取締役、ビジネス数学教育家

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ふかさわ しんたろう / Shintaro Fukasawa

一般社団法人日本ビジネス数学協会代表理事。ビジネス数学を提唱する人材教育のプロフェショナル。公益財団法人日本数学検定協会主催「ビジネス数学検定」1級(AAA)は日本最上位。これまでに指導した人数は、延べ7000人。「ビジネス数学」の第一人者として確固たる地位を築く。企業研修のほか学生やプロスポーツ選手などの教育研修にも登壇。数学的な人材の育成に力を入れている。著書に『「仕事」に使える数学』(ダイヤモンド社)、『数学女子智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです。』(日本実業出版社)など。2018年には小説家としてデビュー作『論理ガール』(実務教育出版)を上梓。

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