ピックアップ再燃か、三菱「トライトン」の実力 働くクルマの性能とSUVの楽しさを併せ持つ1台

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一般道路にコースを移す。ここでは前席以上に、後席での乗り心地に感心した。トライトンは前輪サスペンションに優れた接地性能を誇るダブルウイッシュボーン形式を、後輪サスペンションには重量物への耐性が高いリーフ形式を採用している(日本向けトライトンの最大積載量は500kg)。

トライトンの後席
トライトンの後席(写真:三菱自動車)

ポイントはリーフ(板バネ)の枚数で、このクラスで一般的な5枚方式ではなくトライトンでは3枚方式を採用した点。構造的に路面の外乱や車体に加わる力で後輪の位置決めが難しいとされるリーフ形式ながら、トライトンは板バネ自体をスムーズに動く構造として乗り心地を確保しつつ、シャックルと呼ばれる車体との取り付け部位をトライトン専用に開発して、安定した積載性能と優れた悪路走破性能の両立を図った。

新開発となるディーゼルエンジンの実力は?

さらにトライトンでは直列4気筒2.4Lディーゼルターボエンジン「4N16型」を新規開発し、国内市場においては6速ATと組み合わせる。電動化うんぬんの時代に新開発のディーゼルエンジン?と疑問符が付きそうだが、電動化は適材適所で進めるとCO2削減効果が高いことが世界的にも実証されている。2009年7月、世界に先駆けて軽自動車のBEV「i-MiEV」を発売した三菱だからこそ、その信憑性は高い。

一般道での試乗シーン
一般道での試乗シーン(写真:三菱自動車)

4N16型のカタログスペックは、最高出力204PS/3500回転、最大トルク値470N・mは1500~2750回転。このうち特筆すべきは低速トルクで、それこそアイドリング直上の1000回転前半から300N・m程度のトルクがある。よって、オフロードコースの急斜面ではトルクコンバーターのトルク増幅効果も加わって、回転を高めずとも静かに力強く上っていったのだ。

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