ピックアップ再燃か、三菱「トライトン」の実力 働くクルマの性能とSUVの楽しさを併せ持つ1台

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斜面に対するアプローチアングルは試乗した「GLS」グレードで30.4度(「GSR」グレードは29.0度)と十分で、顎を打つ心配なくスッと斜面に前輪を乗り上げる。そのままアクセルを踏み込むと、今度は豊かな低速トルクで、エンジン回転をそれほど上げることなく2tの車両をグイグイと引っ張り上げていく。

シフトノブの手前にドライブモードを選ぶスイッチと、4WDモードを選ぶダイヤルがある
シフトノブの手前にドライブモードを選ぶスイッチと、4WDモードを選ぶダイヤルがある(写真:三菱自動車)

岩場では「4H」モードのまま、ドライブモードは砂利道や未舗装路に適した「ロック」モードを選択した。状況に応じてアクセルを少しだけ踏み込み、そこで一定開度を保っていると、大きな岩に対して確実に駆動力を伝えるアクセル特性によりスルスルと岩場を抜けていく。また、下り坂で「ヒルディセントコントロール」を機能させると4輪のそれぞれのブレーキを自動制御して、約4~20㎞/hの範囲で安全に降坂できた。

タイヤが浮き上がるような場面でも走破性は抜群

対角車輪が完全に浮き激しく空転するモーグル(こぶ)路面では、ローギア直結でセンターデフがロックされる「4LLc」モードに、ドライブモードは「マッド」モードを選択。これまでの走破性能から必要ないと思われたが、さらに後輪デフロックスイッチもオンにしてトライトンの「最強駆動モード」で臨んだ。

連続した凹凸があり、タイヤが浮き上がるようなシーンでも余裕の走りをみせるトライトン
連続した凹凸があり、タイヤが浮き上がるようなシーンでも余裕の走りをみせるトライトン(写真:三菱自動車)

すると、1mはあろうかと思しき連続する小山を、クリープ走行+少しのアクセル操作だけで難なくクリアした。試しに降車してモーグル路面を歩いてみたが、すぐさま足をとられるほど。トライトンはそこをあっさりとクリアした。

トライトンの運転席まわり
トライトンの運転席まわり(写真:三菱自動車)

電動パワーステアリングの効果も高い。路面の凹凸を通過する際、ステアリングには反力(キックバック)が加わるが、その入力が穏やかでドライバーのステアリング操作を邪魔しない。ここは2019年2月の大幅マイナーチェンジで油圧→電動へとパワーステアリング方式の機構を変更した同社のミニバンSUV「デリカD:5」でも実感した部分だ。

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