「アップル<マイクロソフト」と判断する大間違い 収穫期のMSと種まき機のアップルの違い

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アップルが取ろうとしている、未来を見据えた選択肢とは?(写真:Bing Guan/Bloomberg)

ソフトウェアを企業価値の中心に据えたマイクロソフトと、優れたハードウェアとそれを支えるソフトやサービスで事業を組み立ててきたアップルは、言うまでもなく企業そのものの構造がまったく異なる。

それでも比較されることが多いのは、1980年代からのパソコン黎明期において、この2社がライバルのように扱われていたからだろうか。過去10年間、間違った経営判断をしていないという共通点もある。結果、両社とも極めて強固な事業基盤を誇り、近年も高い業績水準を維持している。

MSとアップル市場からの「見られ方」

しかしながら、先行投資してきたAI事業がさらなる基盤強化につながると見られるマイクロソフトに対し、アップルは屋台骨のハード事業が成熟し、新しい付加価値を生み出せずにいると一般的には見られている。

マイクロソフトが久々に時価総額でアップルを逆転したが、積極的に事業の形を変え、現代のテクノロジー産業に適応した事業ポートフォリオへと体制を整えたマイクロソフトが収穫期を迎え、ハード事業が成熟し、新たな分野を開拓しきれずにいるアップルが試練を迎えているーーと市場が受け止めているのも無理からぬことだ。

近年のマイクロソフトはクラウド事業が支えとなり、業績も絶好調だ。同社が成長した1980年代から1990年代にかけてと現在では、まるで事業ポートフォリオは異なるが、実は企業としての強みの本質は大きくは変化していない。

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