「アップル<マイクロソフト」と判断する大間違い 収穫期のMSと種まき機のアップルの違い

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かつては、世界中で使われるパソコンの基本ソフト(OS)を独占的にライセンスし、オフィスで使われるソフトやツールを提供することでこの市場を席巻していた。

そのプラットフォーマーとしての支配力の源泉は、コンピューター上で価値を生み出すソフトや、エンジニアたちの求める基礎技術や開発のためのツールを提供する企業として、極めて強い製品基盤を持っていたことにあった。

時代の変化に合わせた巧みな「ピボット」

さらに強みだったのは、時代の変化に合わせた「ピボット」が大企業とは思えぬほど素早く行えていたことだ。「Windows 95」のときにはインターネットへ素早く対応し、2000年に入るとアプリケーションソフトをコンピューター上で動かす時代から ネットワークサービスへとソフト開発の価値が大きく変わっていく節目を見事に捉えていた。

アマゾンやグーグルの台頭によって、マイクロソフトの事業ポートフォリオはやや古さを見せていたが、現在のサティア・ナデラCEOはマイクロソフトの強みを新しいクラウドの時代に見事に適応させた。創業者でもあったビル・ゲイツ氏が整えていた技術的な基盤を再構築し、クラウド、そしてモバイルの時代に適応させたのである。

事業環境の変化、技術的なトレンドへの追従も相変わらず的確で素早い。OpenAIへの投資をはじめ、大規模言語モデルへの取り組み、自社製品やサービスへの応用の早さなどは見事だ。

そして、同社の価値の源泉となっているコアな部分はほとんど変化していない。かつてはソフトを開発するエンジニアを支援することに長けていた同社だが、現在は、クラウドの中で同様の価値を提供し続けている。

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