ラーメン業界、働き方改革で続々新しい味が誕生 のれん分けをせず、チャレンジできる環境に

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そして、多様化を後押しする背景として、SNSの存在も忘れてはいけない。

「ラーメンとSNSは、とても相性がいいです。X(旧Twitter)、Instagram、YouTubeのショート動画、どれをとってもラーメンの魅力を伝えやすい。また、拡散されることで、郊外や遠方にお店をオープンしたとしても、味が良ければ評判が評判を呼び、集客が可能となる。湯河原にある名店『飯田商店』初の公認独立店『Ramen FeeL』は、青梅市にあるのですが、その味を求めてお客さんが殺到する予約困難店となっています」

ラーメンそのものが、SNSという媒体を介してメディア化しているとも言える。それだけに、「SNSと差別化を図り、テレビならではのラーメンの魅力の伝え方を考えないといけない」と、テレビマンの顔になってポツリとこぼす。

新しい形のラーメンロケ

これまで赤池さんは、ドラマ『ラーメン大好き小泉さん』や、『ラーメン二郎』の創業者である山田拓美さんに密着したNONFIX『ラーメン二郎という奇跡 ~総帥・山田拓美の“遺言”~』などを手掛けてきた。

「テレビだからこその付加価値を考えた結果、あえてドラマやドキュメントとして届けようと思いました。ありきたりなラーメンバラエティ番組では、僕自身、納得ができないんです。BSフジで放送する『有田哲平の休日はラーメン連食』(3月29日)は、そうした思いから手掛けた番組でした。

昨年からラーメンにハマったくりぃむしちゅー・有田さんが、営業中にちゃんと行列に並び、ありがちな食レポもせず、ラーメンと向き合います。有田さんも、ラーメンと真剣に向き合いたいということで、私服でロケをするくらい自然体です。いわゆるテレビ的な段取りを一切排した今までにないラーメンロケだと思いますし、SNSではできないラーメンの伝え方を目指しました」

有田哲平
「有田哲平の休日はラーメン連食」の一場面 ©BSフジ

ラーメンは国民食と言われるほど、私たちの生活に身近なものになった。赤池さんは、「かつてはブームという言葉が使われたが、今は使われなくなった。完全に定着した感がある」と語る。

「1996年、新宿の『麺屋武蔵』、中野の『中華そば青葉』、横浜の『くじら軒』が誕生した際、“96年組”と呼ばれるほどラーメンがブームになりました。2005年に、大崎に『六厘舎』がオープンし、翌年、松戸に『中華蕎麦 とみ田』がオープンすると“つけ麺ブーム”が到来します。

時代を振り返ったとき、ラーメン業界には〇〇ブームと呼ばれるものが珍しくなかったのですが、2010年代後半から2020年代にかけてはそういった現象が起こっていません。しかし、毎年のように話題になる名店が誕生しています。ブームという一過性のものから、ずっと熱量の高いカルチャーへと昇華した感があります」

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