賃上げしても「給料安い」と憤る若者の何が問題? 経営者と従業員との間にある「情報の非対称性」
「優しく接していたら、成長できないと不安を持たれる」
「成長を願って厳しくしたら、パワハラと言われる」
「成長を願って厳しくしたら、パワハラと言われる」
ゆるくてもダメ、ブラックはもちろんダメな時代には、どのようなマネジメントが必要なのか。このたび、経営コンサルタントとして200社以上の経営者・マネジャーを支援した実績を持つ横山信弘氏が、部下を成長させつつ、良好な関係を保つ「ちょうどよいマネジメント」を解説した『若者に辞められると困るので、強く言えません:マネジャーの心の負担を減らす11のルール』を出版した。
本記事では、賃上げしたにもかかわらず、若い社員から不満が続出してしまった原因について、書籍の内容に沿って解説する。
思い切った賃上げでも不満が続出
ある中小企業の社長が、思い切って賃上げを決断し、実施した。
全社員の前で行われた方針発表会で、今後の給与体系の見直しを宣言。目先の「賃上げ」のみならず、来期からは業績連動型の報酬制度へ移行するとも打ち出した。
ベースアップはもちろんのこと、利益が出たら貢献レベルに合わせてしっかり社員に還元するという、とても前向きな施策であった。
ところが、若者から次々と不満の声があがった。「賃上げといっても実際に計算したら微々たるものだ」「もっとできるはずだ」という意見が相次ぎ、社長は困惑した。人事労務の専門家とプロジェクトチームを作り、1年以上もかけて見直しをはかったのに、である。
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