今さら聞けない「アメリカが超大国である」理由 「アメリカ・ファースト」がもたらす未来とは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

圧倒的な軍事力で海の仕切り役を担い、みんなが安定した貿易ができるようにする。それこそが超大国と呼ばれる国の役割で、戦後はアメリカが担ってきました。だからアメリカのドルが最も信頼のある通貨になりました。

(出所:『まんがでわかる13歳からの地政学』、イラスト:松浦まどか)

アメリカが超大国でなくなる可能性もある?

イギリスもそういう役割を果たしてきた19世紀には超大国として敬われ、ポンドが最も強い通貨になっていました。言い換えれば、アメリカが将来、軍隊を国内に引きあげて世界での役割を放棄すれば、ドルの価値は下がり、国が貧しくなることにつながります

アメリカの世論では「海外に軍隊を置くよりも、そのお金で国民の生活を良くしてほしい」という声が強まっています。2017〜2021年に大統領を務めたトランプ氏はそういう「アメリカ・ファースト」をとなえて支持を集めました。

生活が苦しくなっている人々が政府に国内の経済を優先して欲しいと思うのはある意味自然で、とてもわかりやすい主張でもあります。

ただ、世界の海の仕切り役としての責任を果たさなければ超大国の座を失い、今の豊かさを保つのは難しくなります。「アメリカ・ファースト」を進めた結果、かえってトップでなくなるという皮肉な結果になりかねないのです。

田中 孝幸 国際政治記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たなか・たかゆき / Takayuki Tanaka

大学時代にボスニア内戦を現地で研究。新聞記者として政治部、経済部、国際部、モスクワ特派員など20年以上のキャリアを積み、世界40カ国以上で政治経済から文化に至るまで幅広く取材した。大のネコ好きで、コロナ禍の最中で生まれた長女との公園通いが日課。著書に『13歳からの地政学』など。ツイッター:https://twitter.com/spiritof1993ya1

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事