「黄色いグルメガイド」ゴ・エ・ミヨが目指すもの 47都道府県を網羅するレストランガイド本
ちなみにフランス版でも、1972年に創刊されてから初めて20点満点がつけられたのは、約30年後の2004年のことだ。これはアンリ・ゴとクリスチャン・ミヨが「完全など不可能である」という主張を持っていたからといわれる。
ガイド本が「人」に焦点を当て、顕彰する意味
「ゴ・エ・ミヨ」は点数の評価とは別に、「今年のシェフ賞」など料理人や生産者のための賞を設定している。それは「新しい才能の発見」が「ゴ・エ・ミヨ」のキーワードだからだ。
1970年代初頭には「ヌーヴェル・キュイジーヌ(新しい料理という意味)」という言葉を提起し、「ヌーヴェル・キュイジーヌ」は、料理の特徴を表す語として一般的に定着した。
のちにフランス料理界の大御所となるジョエル・ロブションを1980年代に最初に注目したのは「ゴ・エ・ミヨ」だったし、アラン・シャペルやミシェル・トロワグロなどのグランシェフも、飛躍のきっかけは「ゴ・エ・ミヨ」の賞だった。
日本でも「今年のシェフ賞」「明日のグランシェフ賞」「期待の若手シェフ賞」をはじめ、「ベストソムリエ賞」や「ベストパティシエ賞」、レストランを支える生産者や料理人が対象の「テロワール賞」などを設定している。
刊行の前日、3月18日には都内でその授賞式が行われ、全国各地から約600名の料理人や生産者などの飲食関係者が集まった。
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