必見!「予備も持つ」のにシンプルな出張装備 デジタル機器の電池切れリスクも劇的に軽減

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実際に計測したことはないが、もっともかさばっていた時期と比較すると、最低でも重量で3分の1、体積で4分の1くらいになっている。

また、USB系だと「給電方法が多様である」こともプラスである。PCから給電を受けることもできるし、モバイルバッテリーも使える。モバイルバッテリーは、いまやコンビニでも手に入る時代。万が一の際にはコンビニに飛び込めばいい。結果、電源切れが原因のトラブルは激減した。

7、8年前、海外出張装備と「国内の日常の仕事装備」は、ずいぶん違った。だが今は、その差はかなり小さい。NEX-7と予備のスマホ、iPadがないだけだ。これらはサブの役割だったり、大規模な海外イベントの事情に合わせたものだったりするので、普段はなくても仕事ができる。

世界中どこでも「同じ感覚」に

電源系は全部鞄に入れても400g程度だし、ほかもコンパクト。結局、普段仕事に持ち歩いている仕事道具と海外向け装備の差は、ほぼなくなってしまった。都内で仕事している装備のまま、「そのまま夜の便でサンフランシスコへ」と言われても、なんとかなるほどだ(衣類は途中で買うとして、だが)。

フェイルセーフを十分に考えた装備でも、もはや重量・サイズの制約はなくなった。今後、電源がUSB Type-C系に移行していけば、荷物はさらに減るだろう。PCのための電源、という考え方がなくなるからだ。

現在手元にあるmicroUSBケーブルの入れ替えでちょっと頭が痛いが、実際にはきっと、各種機器を買い換えていくごとにひとつずつ入れ替わっていく、という感じだろうと予想している。

現在は筆者がよく行くアメリカやヨーロッパならば、日本ほど快適とはいわないが、通信回線が問題になることもなくなった。明らかに、世界中どこでも「同じ感覚で仕事をする」環境はできあがってきた、と感じる。

結局、仕事環境における進化とは、「フェイルセーフの効く余裕があるにもかかわらず、持ち物はシンプルになる」ということだったのではないか、というのが筆者のひとつの結論である。

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西田 宗千佳 フリージャーナリスト

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にしだ むねちか / Munechika Nishida

得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、『アエラ』『週刊朝日』『週刊現代』『週刊東洋経済』『プレジデント』朝日新聞デジタル、AV WatchASCIIi.jpなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。著書に『ソニーとアップル』(朝日新聞出版)、『漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち』(講談社)、『スマートテレビ スマートフォン、タブレットの次の戦場』(アスキー新書)、『形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組 』『電子書籍革命の真実 未来の本 本のミライ』『iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』(すべてエンターブレイン)、『リアルタイムレポート・デジタル教科書のゆくえ』(TAC出版)、『知らないとヤバイ! クラウドとプラットフォームでいま何が起きているのか?』(共著、徳間書店)、『災害時 ケータイ&ネット活用BOOK 「つながらない!」とき、どうするか?』(共著、朝日新聞出版)などがある。

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