歳出改革と経済成長は必ず両立できる 6月末の財政健全化計画はどうまとまるのか

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「次世代への責任」を強調した自民党の財政再建に関する特命委員会。最終報告は6月末にもとりまとめられる財政健全化計画にどう活かされるのか(報告書を安倍首相に手渡す稲田朋美・自民党特命委員長(政調会長)、左から2番目、写真:共同通信)

2020年度の基礎的財政収支の黒字化をどう実現するか。6月末にも取りまとめられる予定の財政健全化計画(経済・財政再生計画(仮称))の内容をにらんで、議論は最終段階を迎えている。財政健全化計画は、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太の方針2015)の重要な一部を成す。

自民党の「特命委員会」は何を提言したのか?

6月16日、自由民主党は、「財政再建に関する特命委員会報告(最終報告)」を総務会で了承し、同特命委員会の委員長を務めた稲田朋美政調会長から安倍晋三首相に最終報告が手渡された。この最終報告は、政府・与党が一体となって進むべき道筋を示し、「骨太の方針」に具体的かつ明確に盛り込まれるべき内容を党側から提起している。

最終報告は、財政再建の必要性と理念から説いている。いきなり何をどう削減するかという具体策から入っているわけではない(何かと注目されるところではあるが)。

現在は、財政赤字という形で現在・未来の若者たち(次世代)に借金の付回しを行っている状況であり、次世代への責任の視点に立って改革を進めることが必要としている。

そのための歳出改革については、社会保障、社会保障以外の歳出、地方財政の個別分野で具体的な検討課題を挙げている。削減額ありきの改革ではなく、次世代への責任の視点からの改革を進めるうえで、必要な具体的な施策を列挙したといえる。

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