財務省と内閣府・諮問会議が、不毛の対立に

経済成長主導による財政健全化策のワナ

成長主導による財政健全化は「財務省との対立」の文脈で語られることが多い。だが、その図式で見ることは不毛だ(代表撮影:ロイター/アフロ)

安倍晋三内閣がまとめる予定の財政健全化計画は、6月に入りさまざまな案が出そろってきた。消費税率を10%超にしないという制約の中での議論だけに、歳出改革と成長による税収増に焦点が集中している感がある。このあたりは、『週刊東洋経済』6月6日号の巻頭特集「2020年度財政黒字化をめぐる攻防戦 成長頼みの財政再建」でも取り上げられたところである。

今のままでは医療も介護も「持続不可能」

歳出改革と成長による税収増のどちらでどれだけの財政収支改善を図るかはさまざまな意見があるが、社会保障の改革が必要である点ではほぼ一致している。今後さらなる高齢化を迎える日本で、今の社会保障制度を改革せずそのままにしてもずっと安泰だとは、誰も思っていない。

ただ、財政健全化計画と連動して社会保障改革が実施されると、厳しい給付カットが行われると懸念する向きは強い。

「金額ありきで社会保障費を削減することはしない」。現時点での財政健全化計画の議論の流れを見ると、この方針は明確である。自由民主党の「財政再建に関する特命委員会報告(中間整理)」でもそう明記されているし、6月1日に麻生太郎副総理兼財務大臣に提出された財政制度等審議会の「財政健全化計画等に関する建議」にも示されている。

金額ありきではないものの、社会保障改革は必要だ。なぜなら、今のまま改革しなければ、医療も介護も年金も、持続可能でなくなる(長きにわたり安定して信頼できる制度運営ができなくなる)恐れがあるからである。

では、なぜ今か。主な理由は2つある。

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