「管理職目指す女性が少ない」日本が直面する現実 DeNA南場会長とハイセンスジャパン李社長対談

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南場:私は(組織において)必ずしも女性が50%でなければとは思っていません。たとえば子どもを産んだ後に夫婦で平等に話し合いをして、お母さんのほうが家で子どもを見たいということが結果として多くなっているということもあるかもしれません。

ただ社会的なプレッシャーでそうなるっていう要素をゼロにして、個々人の生きたいような生き方を選択するうえで障害がないというのが重要だと思います。個人が自由意志で、何も我慢せずに選べる社会になればいいと思っています。

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南場智子(なんばともこ)/1986年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。1990年、ハーバード・ビジネス・スクールにてMBAを取得し、1996年、マッキンゼーでパートナー(役員)に就任。1999年に株式会社ディー・エヌ・エーを設立し、現在は代表取締役会長を務める。2015年より横浜DeNAベイスターズオーナー。2019年デライト・ベンチャーズ創業、マネージングパートナー就任。著書に「不格好経営」(写真:ハイセンスジャパン提供)

私自身は女性だということで苦労したことがないので知らなかったんですけど、日本が選びたい生き方を選べる社会になっているわけではないと、最近聞くようになりました。そこに関しては経営者として、性別や国籍で与えられるチャンスが違うと感じる人をなくす。そういう会社を自らつくっていきたい。

子どもに対する支援を国がもっとすべき

――自由意志で選んでくださいというと、管理職を積極的に選ぶ女性は多くない気がします。李社長も、「日本の女性は昇進したくない」という印象をお持ちのようです。

:日本は女性が昇進できない時代が長かったので、もはや文化になっているように見えます。中国は数十年前まで貧しかったので、夫婦でお金を稼いで豊かになろうという考えでした。結婚して、子どもを産んで、そこで仕事を辞める「寿退社」という発想は昔からなかった。

たぶん日本は違いますよね。会社に入って一生懸命頑張ってリーダーを目指すより、いい男性と結婚して、家庭で自分の役割を果たしたいと考える女性が結構多い。質の高い教育を受け、大学にも通っているのになぜ?と最初は感じました。

中国に比べて母親が子どもを見る時間が長いし、それが女性の昇進に影響しているとも思います。育った環境の影響があって文化として定着しているので、変えるのは時間がかかる。

保育園や預かり保育の整備、子どもの面倒を見てくれる祖父母への支援、また、ベビーシッター、家政婦利用の補助など国がもっとサポートすべきと思います。

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