「1ミリも伝わらない」信頼全部失う残念な話し方 頭に入る話の絶対条件「キーワード」と「接続詞」
注意すべきは、「要約された状態」と「要約できる状態」はまったく違うということです。
「要約された状態」とは、「話し手」が要点をまとめたもので、話すのにかかる時間も短いです。一方で「要約できる状態」とは、必ずしもかかる時間が短いわけではなく、「聞き手」が自分でまとめることができるのです。
最大のポイントは、「要約できる状態」を実際に要約するのは聞き手であるということです。
では聞き手が要約できるために必要なことは何か。聞いた内容を一字一句すべて覚える暗記力ではありません。話の内容からキーワードを抜き出し、それらを論理で接続する思考力です。
裏を返せば、次の2つさえ伝われば、相手は要約できるのです。
・キーワード
・接続詞
あなたが要約して伝えるのではありません。相手が要約できるように伝えるのです。
本田圭佑氏の名スピーチ
ひとつ事例をご紹介しましょう。元サッカー日本代表であり、サッカー指導者、解説者、実業家として活躍されている本田圭佑さんの事例です。
本田さんは2023年3月18日、近畿大学の卒業式にゲストスピーカーとして登壇し、卒業生にエールを贈りました。
結果を出し続けている人であり、かつ伝える力があることが登壇の理由でしょうか。私も拝聴しましたが、実に知性ある話し方をする方だと思いました。その一部を(本田さんの発するすべての言葉をリスペクトしたうえで)究極まで要約して表現します。
この要約にはキーワードと接続詞しか存在しません。しかしこれだけの情報さえあれば、スピーチを聴いていない人でもどんな内容だったかは十分に伝わるはずです。
なぜ私がこの要約が可能であったかというと、キーワードと接続詞の存在だけに注目して本田さんの話を聴いたからです。
そういう意味で、私がこのように要約できるようなフレーズを本田さんがしっかり用意していることも心憎いなと感じました。
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