フォートナイトに「和歌山の観光地」実現の舞台裏 観光資源豊富も交通不便、どう魅力伝えるか

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ちなみに、12月28日に公開された「和歌山駅前」は1万1324回、2月27日公開の「あろち」は587回(どちらも2月29日付のプレー回数)。フォートナイトプレーヤーに一定の認知を得ていることがわかる。

「和歌山城」と「和歌山駅前」を舞台にした『和歌山城下町eスポーツ大会』(2月11日)や、3月3日にはその2カ所に「あろち」のゲームマップを加えて、和歌山県、和歌山県観光連盟、和歌山市が後援する本格的なオフライン大会イベント『和歌山新城下町CUP』も開催した。『和歌山新城下町CUP』では、全8チーム16名の選手が、会場となった和歌山市内のコワーキングスペース「Work&Study IDEA」に集結した。

メタバース和歌山 
全8チーム16名の選手が和歌山市内のコワーキングスペース「Work&Study IDEA」から参加した『和歌山新城下町CUP』(写真:筆者撮影)

その模様は配信もされ、「和歌山城」を舞台にするサバイバルゲームの戦闘は大いに白熱した。まさに戦いのために作られた“日本の城”の防衛のための複雑な構造など、城特有の防御力の高さや機能性を、ゲームでの実戦を通して、プレーヤーと観客に体感させた。ゲームの舞台としての城に興味を抱いた人も多いことだろう。

メタバース和歌山に参画する、南海電鉄グループのeスポーツ事業会社であるeスタジアムの向井康倫氏は、「地域の学生や子どもたちがここでeスポーツを練習したり、マップ制作を学んだりすることで、将来の職業になっていくこともあると思います。そういった面からも和歌山を盛り上げていきたい」と話す。IDEAをクリエイターやゲーマー育成の拠点とする構想もあるようだ。

熊本県もフォートナイト上に「くまモン島」を2024年1月31日にアップするなど、メタバースで同様の動きをする自治体は今後も続くだろう。

どう継続していくかが課題に

まずは「eスポーツ」をスタートさせたメタバース和歌山だが、第一歩のあとは、それをいかに継続、拡大していくかが大きな壁になる。

豊田氏の言う「刺さるもの」をいかに継続的に提供していけるかがカギになるが、『和歌山新城下町CUP』からは光明も示された。

それはアクション系ゲームとの親和性が高いこと。これから「城攻め」や「城落とし」といったゲームでの活用や、アクション系以外のゲームジャンルにも活路があるかもしれない。また、侍や忍者、姫といった和歌山城のオリジナルキャラクターを登場させれば、コンテンツとしての拡張の幅は格段に広がる。

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