フォートナイトに「和歌山の観光地」実現の舞台裏 観光資源豊富も交通不便、どう魅力伝えるか

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和歌山でも、コロナ禍にアニメが空前のヒットとなった『鬼滅の刃』の主要登場人物のひとりである甘露寺蜜璃(かんろじみつり)と同じ名前の甘露寺(紀の川市)と甘露寺前駅(わかやま電鉄貴志川線)には、大勢のファンが詰めかけていた。

そうした聖地には、遠くても、交通が不便でも、ファンには訪れるモチベーションがある。それを作り出すことをテーマに、昨年の春から研究と検討を重ねた結果、メタバースの可能性に行き着いた。

自治体がメタバースに街を作り、その仮想空間上から地域の魅力を発信する試みはすでにいくつも行われている(メタバースメディア「メタバース総研」では、メタバースを地方創生に活用する22の自治体の事例を2024年1月15日に取り上げている)。

城など海外に刺さりやすいコンテンツを売りにする

そんななかで、和歌山の取り組みが特徴的なのは、城や忍者など日本固有の海外に刺さりやすいコンテンツを売りにして、まずはゲームという特定のファン層へのアプローチを図っていることだ。そこで認知を得てファン層を作ることを第1ステップとし、その先にメタバースおよびリアルの観光やECへつなげていく。そしてそれは、地域の雇用創出にもつながる。

メタバース和歌山 和歌山城
実際の和歌山城(提供:メタバース和歌山)

豊田氏は、和歌山の社会課題を包括的に解決していくことを提唱する。

「eスポーツやVRなどを活用しながら、経済活動における顧客層やフィールドを広げていきたいです。そこから、次世代の顧客の発掘に加えて、地域で働く人材の確保と育成により、和歌山の観光およびサービス産業全体を支えるのが大きな目標です。同時に、青少年をメタバースクリエイターとして育成する教育システムも構築し、県外人材のIターンUターンにつながるような活動にしていきたいです」(豊田氏)

仮想体験型の観光コンテンツの創出を目指す観光DX事業としてスタートしたメタバース和歌山には、経済産業省の事業再構築補助金を一部に充て、総投資額約1億円を投入。第1弾として、全世界ユーザー数5億人を超える人気オンラインゲーム「フォートナイト」上に「和歌山城」マップを2023年12月21日に公開した。

メタバース和歌山
メタバース和歌山(提供:メタバース和歌山)

これまでの成果として、一般プレーヤーのプレー回数は2月末(2月29日付)までのわずか2カ月で2万910回を記録。フォートナイト・プレーヤーでもあるお笑い芸人・小籔千豊のYouTubeチャンネル『フォートナイト下手くそおじさん』とのコラボなどのPR効果もあり、好調なすべり出しとなった。

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