東大より攻めてる?「上智大の日本史」問題の凄さ 「現代的な視点」から歴史を見る良問だ

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上智大学の日本史の入試問題は、「攻めた」問題です(写真:Fast&Slow/PIXTA)
大学入試の問題は、いつの時代も同じというわけではありません。問題の形式面での流行もさることながら、出題されるテーマが時代の影響を受けていることも少なくないのです。大学入試問題を作成するその大学の教授の世相を捉えた問題意識が反映される、世の中に対するメッセージでもあると考えられます。
このような東大日本史を長年にわたり研究し、『歴史が面白くなる 東大のディープな日本史 傑作選』を上梓した予備校講師の相澤理氏が、面白すぎる東大日本史を解説します。
※本記事は『歴史が面白くなる 東大のディープな日本史 傑作選』の内容を抜粋し、加筆修正を施して再構成したものです。

受験生に「考える」ことを求める良問の数々

東京大学の日本史の入試問題(以下、東大日本史)では、受験生の答案にダメ出ししてもう一度出題したり、歴史学において完全な答えを見出していない問いを投げかけたりといった挑戦的な出題もたびたびあります(「東大日本史『同じ問題』が数年越しに再出題の衝撃 いつどんな問題を出してくるかわからない」参照)。

それらは「攻めた」問題ですが、受験生に「考える」ことを求める良問であると、私は予備校講師として確信しています。そしてそれは現代に山積する諸問題に対処するための糧とするためであるのでしょう。だから、世相とリンクする部分が生じるのです。

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