扇風機の品切れが続出、急膨張する節電特需

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そもそも扇風機は単価が低く利益が出ないため、各社ともエアコンへのシフトに伴い縮小・撤退を進めてきた。ただ、ここ数年だけを見れば、エアコンとの併用で節電になることが認知され、販売は上向き。「今年は、地震がなくても3年前と比べて倍以上になる見通しだった」(東芝)という。それでも予想をはるかに上回る需要に対応し切れなかった。

家電メーカーにとって、夏は本来なら冬の商戦に向けて暖房器具などの生産準備に入る時期だが、「夏物の対応に追われて移れない」との悲鳴も聞こえてくる。

売れているのは扇風機に限らない。エアコンも、省エネ性能の高い上位機種を中心に前年を上回る伸び。「熱帯夜が3日続くとエアコンが一気に売れ始めて、扇風機と似たような状況になる」(メーカー関係者)との観測もあり、各社ともすでに増産体制に入っている。冷蔵庫やLED照明の販売も好調だ。

エコポイントの終了による反動減をおそれていた家電業界に降って湧いた節電特需。生産が追いつかなくなる懸念もくすぶる中、どれだけ恩恵を享受できるか。

(長谷川高宏 撮影:田所千代美 =週刊東洋経済2011年7月16日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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