認知症の親を追い詰める「記憶の確認クイズ」 大切なのはいち早く「答え」を明かすこと

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お茶をお出ししても、ひと口も飲みません。

リハビリにも行きませんし、トイレにも行きません。つまり、「あなたとするのはいや」ということですね。

つい私たちは、それを「介護拒否」と言ってしまいますが、そうさせたのは認知症なのか、関係性のせいなのかと考えると、後者であることが多いのです。

「あえて失敗させる」ことでフリーズ回避

スピーチロックを防ぐためには、頭ごなしに否定しないことです。

また、危険のない小さな失敗だったら、「あえて失敗させる」というのも手です。

たとえば、認知症の方の中には、フォーク1本と箸1本でご飯を食べようとする人もいます。

当然、うまく食べられません。

そんなときには、「うまく食べられない」という経験をあえてさせてあげてから、箸2本で食べる姿を目の前で見せてあげると、「そうすればいいのか」となります。

中には、靴とサンダルを片方ずつ履いてしまう人もいます。

でも、その場では言いません。

玄関から出たときに指摘するのですが、そのときの言葉は、「間違ってますよ」ではなく「あれ? ○○さん、足が痛いんですか?」です。

「いや痛くないよ」「なんだぁ、足が痛いのかと思いました。片方、サンダルですよ」というやりとりで「あ、本当だ(笑)」という「晴れ」に流れが変わります。

ただ……毎回これをやっていると、家族は大変。

先回りして、履いてほしい靴だけを出して失敗を防いだほうが楽ですし、そこに罪悪感は持たないでください。

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