認知症の親を追い詰める「記憶の確認クイズ」 大切なのはいち早く「答え」を明かすこと

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

結果的に的外れな提案となったことをお嫁さんに謝罪しながらも、このとき、解決に向けた一筋の光が差していました。

「なるほど。大切な置き手紙だから、なくさないようにしまっておかなきゃという心理か。高田さんは、本当にまじめな人なんだな」

ホワイトボード1枚で「晴れ」はつくれる

その反省から、次に、しまうことのできないホワイトボードを買って渡したら、これが大当たり!

高田さんの家の電話の横に置いてもらい、お嫁さんが毎朝、電話で伝える予定を、自分で書いてもらいます。

毎朝、昨日の予定を消して新たに書き記すわけですから、そこに書いてあることは、すなわち「今日の予定」だと高田さんにもわかります。

また、「○○さんと会う約束だったよね」「みんな待っているから行ってね」という具合に心を揺さぶるメッセージを添えてもらったのも、効果的でした。

こうして高田さんの問題は、ホワイトボード1枚で解決することができました。

高田さんは、お嫁さんの手紙をなくしたのではなく、大切にしまっていたのです。

どこにしまったか、そのこと自体は忘れてしまったのですが、お嫁さんの気持ちだけは、しっかり届いていました。

次ページ解決に向かって試行錯誤する
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事