認知症の親を追い詰める「記憶の確認クイズ」 大切なのはいち早く「答え」を明かすこと
結果的に的外れな提案となったことをお嫁さんに謝罪しながらも、このとき、解決に向けた一筋の光が差していました。
「なるほど。大切な置き手紙だから、なくさないようにしまっておかなきゃという心理か。高田さんは、本当にまじめな人なんだな」
ホワイトボード1枚で「晴れ」はつくれる
その反省から、次に、しまうことのできないホワイトボードを買って渡したら、これが大当たり!
高田さんの家の電話の横に置いてもらい、お嫁さんが毎朝、電話で伝える予定を、自分で書いてもらいます。
毎朝、昨日の予定を消して新たに書き記すわけですから、そこに書いてあることは、すなわち「今日の予定」だと高田さんにもわかります。
また、「○○さんと会う約束だったよね」「みんな待っているから行ってね」という具合に心を揺さぶるメッセージを添えてもらったのも、効果的でした。
こうして高田さんの問題は、ホワイトボード1枚で解決することができました。
高田さんは、お嫁さんの手紙をなくしたのではなく、大切にしまっていたのです。
どこにしまったか、そのこと自体は忘れてしまったのですが、お嫁さんの気持ちだけは、しっかり届いていました。
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