「キャリアアップ」のバカヤロー 常見陽平著

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「キャリアアップ」のバカヤロー 常見陽平著

「キャリアアップをしたい」。ビジネスパーソンなら誰しも1度くらいは思うのではないか。新卒で、これから社会人になろうとする学生たちも例外ではなく、キャリアアップを目指して就職を考えるはずである。

「キャリアアップをすれば年収があがる、評価される」と考えるからだ。だが、キャリアアップとはいったい何だろうか。世の中にはキャリアアップをしないといけないと思わせるような言葉が自己啓発本や雑誌の特集で溢れている。まわりの友人が転職をしていくと、自分もおいていかれないようキャリアアップをしなければと過剰に意識する。

それは正しいのか。

自分のまわりの人間やメディアや世間の考えに踊らされているだけではないか。著者は「キャリアアップという言葉を疑え」と世間の風潮にメスを入れる。

「なぜ、キャリアアップに脅迫されるのか?」ときりだす第1章。「雇用不安の報道」「メンヘル問題」「ゆとり上司の存在」「企業の閉塞感」など様々な理由が元になり、若者のキャリアアップの精神を煽っていると説く。

なかでも、ゆとり上司にメスを入れろとの意見は注目に値する。ゆとり社員に対しては、使えない、問題がある、とメディアでよくいわれるが、本当に問題なのは、ゆとり上司ではないかという指摘だ。部下に責任をなすりつけ、新しいものは受け入れず、上の顔色をみて仕事をするといったゆとり上司が社員のやる気をそぐ。

「ああはなりたくない」と思う上司たちが若者のキャリアアップ願望を強くさせる、という指摘には思わずうなづかされた。確かにこのような上司は、どんな職場にもいるだろう。耳が痛い方も多いだろう。ゆとり社員は取り上げられても、ゆとり上司が取り上げられることは少ない。新たな視点だ。

キャリアアップといえば「転職する」ことと考える人は少なくないだろう。今の仕事は自分にはあっていないのではないか、ここは自分の居場所ではないと、今の職場よりもっとよいと思うところへ行こうとする。転職により、年収が上がり、やりたいことがやれるのではないかと思うのだ。

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