NHK元記者が見た「カンボジア医療」超過酷な現実 国際医療NGO「ジャパンハート」の挑戦、驚く実態

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それまでの生活とは一変しましたね。まず朝6時30分に起床して、そこからスタッフみんなで掃除をして朝食をとります。仕事は8時から17時30分までです。そもそも、定時があるっていうのもこれまで経験がなくて、そこから新鮮でした」

NHKでは記者として福井支局で5年間、東京では警視庁担当記者として2年間活動した。

報道の最前線で記者として活動する中では当然、事件や事故が起これば現場に駆け付けねばならない。いわゆるフレキシブルな働き方をしてきたので、このギャップに驚いた。

それにも増してカンボジアでは、時間もゆっくりと流れている感覚になるという。

大人の診療も無料、だけど外来は野外

「ここ(ジャパンハートこども医療センター)では小児がんの子どもたちの治療がメインですが、大人の診療も無料で行っています。でも、外来は野外なんですよ。施設の中庭的なところで診療していて、日本だと考えられないですよね」

病院の外来と待合室は野外にある。カンボジアの年間平均最高気温は30度近い

診療を受けに来る人たちはこれまで医師にかかったことがない人も多く、自身の健康状態すら把握できていない

貧困もあるが、カンボジアでは医師不足も大きく影響している。

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