NHK元記者が見た「カンボジア医療」超過酷な現実 国際医療NGO「ジャパンハート」の挑戦、驚く実態

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ここに藤田さんが作った1本の動画がある。小児がんを患った14歳の子どものドキュメント動画。

骨肉腫と闘う女の子のドキュメント動画(動画:ジャパンハート公式・吉岡秀人創設/YouTube)

先行してFacebookにアップされた動画はカンボジア国内を中心に60万回以上再生された。

ただ事実を伝えるのではなく「自身の思い」をのせる

カンボジアでは小児がん患者へのインタビューは珍しいと聞いています。だから余計に関心を集めたというものあると思います。でも、この動画を見て、少しでも私たちの活動を知ってもらえたら嬉しいですね。小児がんは治せるんだとわかってもらえたらと思います」

「伝えること」に関しては、これまでもNHKで記者として行ってきた。もちろんこの動画にも、それらの視点や伝え方など藤田さんの技術が詰まっている。

だが、それ以上に、ただ事実を伝えるのではなく、「自身の想い」をのせていることが、これまでとは大きく違うことだろう。

そして意外にも、医療現場の取材は、これまでほとんど経験したことがなかったという。

「福井でも、東京でも、NHKでは医療現場の取材はあまりしてこなかったんです。だから、カンボジアに来てはじめて知ることばかりで、日々勉強しています。もちろん映像の編集も自分自身ではやったことがなかったので、それも試行錯誤しながらやっています」

院周辺には血液センターがなく、スタッフが院内で献血することも
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