企業経営者、マネジャーに贈る「震災後、これから本格化するおカネの危機管理と対処法」(後)--事業資金に困ったとき、あなたがとれる最適の手段

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 道は2つ、「新たな資金導入(融資)」か「返済のリスケジュール」になります。

a.新たな資金導入(融資)

震災後の状況は、政府や保証協会の保証が下りやすく、金融機関も「貸しやすく」なっています。しかし、借りたものは返さないといけません。
 
 「二重ローン」問題が取りざたされていますが、売り上げが急激に復活して震災前をしのぐ利益が出る見込みがあるならともかく、売り上げ増が見込めないのに目先の資金繰りのために新たな融資を得てしまったら、企業も事業も早晩破綻の憂き目を見ることになります。
 
 新たな融資は一時的な危機回避にすぎないのか、それとも中長期的に正しい処置なのか、資金を調達したあとに返済はどうなるのか。

経営者・マネージャーは基本に立ち返ってシミュレーションしてください。

b.返済のリスケジュール

一方、返済のリスケジュール(条件の見直し)を行う場合、「金融機関から見放されるのではないか」と心配する経営者やマネジャーも少なくないと思います。しかし現状では、「金融円滑化法」が延長施行されていますから、その心配はまったくありません。

ただし、金融機関との交渉では「資金繰りが苦しいからリスケを」と懇願するような言い方は避けるべきです。理想的には、次のように説明してください。

「現状では弊社の返済は『資金繰り返済』になっている。けれど、元本返済を一時棚上げしていただいて、利息のみの支払いにしてもらえたら『利益返済』になる。企業(事業)の健全経営のために、一定期間のリスケジュールをお願いしたい」

金融機関を説得できるリスケ交渉が必要です。この場合も、一定期間リスケジュールをするとどんなキャッシュフローになるのか、冷静なシミュレーションが必要です。

上記を踏まえて、「a.新たな資金導入(融資)」がいいのか「b.返済のリスケジュール」がいいのか、後々自社の財務においてどちらが有効かを比較して検討するべきです。

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