国民民主・玉木氏「トリガー」協議離脱の"裏側" 狂った"計算"、「自民の使い捨て」で野党でも孤立化
これに憤慨した玉木氏は、質疑終了後、記者団に対し「5月以降、トリガーの発動のメドがなければ協議を継続する意味がない。協議の離脱を決断せざるを得ない」と自民、公明、国民民主の3党協議からの離脱を宣言。
これを受けて、国民民主は7日の党会合で協議離脱を正式決定。トリガー条項の凍結解除に「政治生命をかける」として自公との協議を進めてきた玉木氏に対する「責任論」も出なかった。それも踏まえて玉木氏は、記者団に「派閥の裏金問題が自民党の政策推進力や調整力を著しく低下させ、難しい減税政策を進められなくなった」と自民に“責任転嫁”した。
ただ、今回の玉木氏主導の協議離脱劇について、昨年末、玉木氏との路線対立から国民民主を離党し、「教育無償化を実現する会」という新党を結成した前原誠司前国民民主代表代行は、翌8日の記者会見で「玉木代表は何らかのけじめが必要だ」と皮肉るとともに、「自民党にすり寄っても相手にされなかった。(政治的に)非常識だったということ」と批判した。
「考え方を改め」との岡田発言にも反発
こうした経過を受けて、国民民主は12日、東京都内に所属国会議員と支持者約350人を集めて開いた定期党大会で「政策本位で協力できる政党とは与野党を問わず連携するが、『正直な政治』が大前提」とする2024年度活動方針を決定。ただ、玉木氏はあいさつで「裏金問題は政治への信頼を根底から揺るがす大問題」と厳しく批判するなど、これまでの与党寄りの姿勢を事実上修正してみせた。
これに先立ち岡田・立憲民主幹事長は10日、国民民主の路線転換について「考え方を改め、野党がまとまっていくべきだと考えるなら、懐深く対応していきたい」と国民との連携に意欲を示した。ただ、玉木氏は12日の定期党大会後の記者会見で、岡田氏の「考えを改めるなら」との発言について「(岡田発言で)ますます(連携は)難しくなる。わが党の中にも思いがあるということに、もう少し理解と配慮をいただきたい」と不快感を示した。
そのうえで玉木氏は、立憲と国民の合流の可能性について「安全保障やエネルギー、憲法などの基本的政策について一致できる政党があれば、『連立』は可能だが、現在の立憲民主はそれを満たしていない」と指摘し、「今、ともに政権を担う政党とは考えていない。一致させるために議論する用意はあるが、そういう話は来ない」と突き放した。
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