「愛猫との生活」最新テクノロジーがもたらす幸せ 猫の行動分析を行い、精度の高い情報を得る

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Catlogではいつ吐いたか、多頭飼いしていればどの猫が吐いたかまでを記録し通知してくれる。異常があった場合獣医に連れて行く必要があるが、「通院レポート」という機能でこれまでの症状やデータが整理できるので、医師へ説明しやすくなる。

嘔吐検知機能開発について、RABO社長の伊豫愉芸子(いよゆきこ)氏に聞いた。

「Catlog開発初期から必要だと思っていた機能。Catlogユーザーの飼い主からも要望をいただいていた。猫はもともと嘔吐しやすいが、ふだんの嘔吐なのかそうでないのか、猫飼いならば必ず知りたい情報」(伊豫氏)

RABO代表取締役社長の伊豫愉芸子氏。オフィスはペット同伴OK。「Cat Park」と名付けられた、猫が遊べる広々としたスペースも用意されている (筆者撮影)

このように重要な機能ではあるが、開発は困難だったそうだ。まず、猫につきっきりで吐くのを待っているわけにはいかないため、嘔吐するときに猫はどんな動きをするのか、データを集めるのに時間を要した。また微妙な動きのため、本当に吐いているのか、それとも似た動きなのかの見分けも難しい。

しかし2024年1月23日からテスト版をCatlogユーザーに使用してもらったところでは、かなり精度が高く、「早く実装してほしい」との声が寄せられているそうだ。

そしてCatlog Boardで新たに検知できるようになったのが排泄時間だ。

「おしっこorうんちをしたいのに出ていない」状態がわかるので、膀胱炎や尿道閉塞、便秘の可能性に早期に気づくことができる。

排泄の異常から早期発見につなげる

1月9日からリリースされたこの機能、伊豫氏の愛猫であるブリ丸の体調管理に役立ち、伊豫氏自身が必要性を実感したばかりだそうだ。

「年末年始家にいて猫を見守ることができていたが、30分ほど出掛けている間に、トイレに頻繁に行っているという異常なアラートがあった。見ると、数分おきにトイレに行っている。おしっこをしたいのに出ていない。すぐに病院に連れて行った結果、膀胱炎の早期であることが判明した。医師に頻度や量なども定量的に説明できて助かった」(伊豫氏)

Catlog Boardは排泄時間を計測する新機能をリリース。リリース直前、伊豫氏の愛猫、ブリ丸の膀胱炎の早期発見に役立っていた (画像:RABO)

上記のように、病気に早めに気づいてあげられることがCatlog、Catlog Boardのもっとも大切な機能だ。

しかしそれ以外にも、猫と人のコミュニケーションを深めてくれるツールとして楽しめるよう設計されている。

猫の行動は随時、飼い主のスマホで知ることができる。寝ている様子、トイレに行っている様子などのかわいいアイコンがスマホ画面上に現れ、猫と離れていても存在を感じていられる。

飼い主が愛猫を見守るほかに、飼い主以外も共同飼い主として登録することで「実家に残してきた猫」や、「友達の猫」のデータを共有することもできる。

その他、ペットシッターや獣医師などを登録することにより、猫を取り巻くコミュニティで見守ることもできるそうだ。

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