「愛猫との生活」最新テクノロジーがもたらす幸せ 猫の行動分析を行い、精度の高い情報を得る
PETOKOTOのビジネス面についても触れておこう。同社の事業ミッションは、「ペットを家族として愛せる世界へ」。社長の大久保泰介氏はゲームやメタバースなどの事業を行うグリー出身。デジタル技術でペットにまつわる業界の仕組みを変えたいと、2015年にPETOKOTOを起業した。
獣医師やトリマーと連携したペットメディアから事業を始め、翌年OMUSUBIをスタート。収益モデルは広告宣伝費や企業のCSR枠での支援などだが、現在の主要な収益源となっているのは、2020年から開始したフレッシュペットフード事業「ペトコトフーズ」だ。
「ペットは家族」という意識の高まり
ペトコトフーズはアメリカの獣医栄養学専門医監修のレシピに基づいて作られているフレッシュペットフードで、原材料・製造過程・カロリー等を見える化した「新鮮かつ安心な食事」であることが評価され、販売開始初年度で累計1000万食を販売。値段は3kgの小型犬の場合、月に9000円程度と従来のドッグフードの1.5〜3倍というから驚く。しかし「ペットは家族」という意識の高まりから販売数が伸びており、2023年の売上高は前年比138%となった。主に犬用のフーズの売れ行きがよく、継続率も94%と高いという。
次に、猫との暮らしを応援する2つめのビジネスを紹介する。2019年に登場し、進化を続けているのが、猫の生活を記録し、スマートフォンで飼い主に知らせてくれる「Catlog」。デバイスの商品ラインナップは、首輪として装着するCatlogと、トイレの下に置くCatlog Board、2種類がある。
首輪型は食事や排泄の回数、睡眠など猫の行動を24時間見守る。また健康状態を分析し、異常があればアラート通知してくれる。
Catlog Boardは排泄の回数や量、トイレの滞在時間、体重などを測定。排泄トラブル、体重の異常な増減を気付きにくい段階で知らせるため、猫がかかりやすい泌尿器の病気などを早期に発見できる。
Catlogの技術の基盤となっているのが実際の飼い猫にCatlogを装着し、集めた行動データだ。これに基づいて猫の行動分析を行っているため、精度の高い情報が得られる。
またユーザーが増えるに従い、日々、データの件数も増えており、現在、150億件以上のデータが蓄積されているそうだ。発売元のRABOでは、その膨大なデータを元に、このたび新たな機能を追加した。
Catlogに加わったのが嘔吐の検知だ。具体的には「喉元の動き」などで嘔吐の可能性を測定する。
猫はよく吐く動物だ。急いで食べすぎても吐くし、毛づくろいで飲み込んでしまった毛が、胃にたまっても吐く。
心配されるのが誤嚥や病気に起因する嘔吐だ。頻度や嘔吐物の色、内容などから判断する必要がある。
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