「愛猫との生活」最新テクノロジーがもたらす幸せ 猫の行動分析を行い、精度の高い情報を得る

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コロナ禍を経て、オンライン上でのマッチングが一般に認知されるようになったということだろう。

また、直接のやり取りでなく、ワンクッションを置いた安心感があるのも、オンラインマッチング利用の動機となっているのかもしれない。

例えばOMUSUBIの一番の特徴となっているのが、登録団体に審査を設けていることだ。団体として活動しており、公式ホームページなどで情報が公開されていることが主な条件だ。

登録団体を審査制にしている理由について、PETOKOTO執行役員の井島七海氏は次のように説明する。

PETOKOTO執行役員/OMUSUBI 事業責任者の井島七海氏(筆者撮影)

「保護団体ごとにさまざまな方針が設けられているため、保護犬猫の譲渡推進にあたり適切な運営と連携が行えるかを確認させてもらうことが大切。一方希望者側は、どんな手順を踏んで引き取ればよいかわからない、あるいはそもそも保護団体という存在自体を知らず、信頼できるところなのか不安に思う方も少なくない。保護団体に関する情報の透明性を高め、保護犬猫から迎えるという選択肢の一般化を目指したいと思っている」(井島氏)

譲渡後のミスマッチングを防ぐ

一方、保護団体の立場からの利点が、審査の際の負担を軽減し、より広く希望者を募集できることだ。応募時にプロフィールや飼育環境、譲渡を受けたい理由などを書き込む必要があるので、円滑に審査を進め、ペットの引き取りに関する保護団体とのやりとりに進むことができる。

またこちらは任意だが、サイト上で行える「相性診断」で犬や猫を絞り込めるため、ミスマッチングで譲渡後に戻されるケースを少なくできる。

設問は「犬or猫」「毛の色」「休日の過ごし方」など簡単なもの6問なので、相性診断と言っても、それほど厳密ではない。

しかし、見た目だけではなく、ペットの性格や、自分の暮らし方に合うかなども考えたペット選びへの意識づけにはなりそうだ。

なお、実際に迎え入れられるかの審査は保護団体ごとに行われ、犬猫に応じた飼い主との相性等、総合的にマッチングを考慮する。

保護犬猫活動の認知が高まった反面、課題となっているのが、譲渡システムの悪用だ。例えば虐待を行う目的で申し込んでくる人物もいる。保護団体が条件を厳しくしているのは、こうしたリスクを低くするためもある。

OMUSUBIでは申し込みの際個人情報の入力が必要なため、悪質なケースをある程度排除できる利点もある。

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