無意識に信頼関係を損なっている「3つのNG行動」 あなたの部下はなぜ本音を話してくれないのか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

では、「正論」「アドバイス」はダメ、「共鳴」もダメ、となるとどうしたらいいのでしょうか?

「感情の壁」を取り払って相手のニーズを聞き出すために、何よりも最初にするべきことは、相手の感情に「共感する」ことです。「共鳴」と「共感」、同じような意味に捉えられがちですが、微妙に違います。

どちらも「私もあなたと同じ状態になれば、同じように感じます」という気持ちを表すことですが、「共鳴」には「私も〇〇なんだよね〜」という、自分の意思や考え、解釈が含まれています。

「共鳴」ではなく「共感」が大切

一方で「共感」は、自分の考えは一切入れずに、ひたすら相手の気持ちになって(立場に立って)、「そうなんだ。わかるよ」と言ってあげることです。

相手の感情に「共感」する受け答えとは、次のようなものです。

部下:「今、仕事でこんなことに悩んでいるんですが」
上司:「そうか。会社の命令やお客様の要望、いろいろ聞かなきゃいけないのって大変だよね。○○さんの立場に立ったとしたら、その気持ちはよくわかるよ」

このように「共感」することで、2人の間に立ちはだかっている「感情の壁」が徐々に消えていくはずです。

感情の壁がなくなった、つまり「ああ、この人は私の気持ちを理解してくれている」と思ってもらえたあとで、「本当は将来どうしたいんだ?」という質問をすれば、部下は、「実は、私は将来こういうふうに生きていきたいと思っているんです」と本音を話してくれるでしょう。

「この人は私の感情を認めてくれる」「私の思いを受け止めて(受容して)くれる」と思ってもらえる状態、つまり、この「感情の壁」がなくなった状態こそが「信頼関係」が生まれていると言えるのです。

信頼関係が築けて初めて、相手の本当のニーズを聞き出せます。「部下はなぜ本音を話してくれないのか?」と悩まれている上司はたくさんいらっしゃると思います。部下の本音としては、「上司にこんなことを言ったら、怒られるか笑われるに違いない」と思っているのです。

日々の行動の中で、何かを相談したときに、共感ではなく、いつも正論や一方的なアドバイス、自分の経験談で返してくる。そんな人に対して部下が本音を話すはずがありません。相手の本当のニーズを聞きたいなら、その人が話している言葉の裏側にある感情に対して、しっかりと共感を示さないといけません。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事