無意識に信頼関係を損なっている「3つのNG行動」 あなたの部下はなぜ本音を話してくれないのか
では、「正論」「アドバイス」はダメ、「共鳴」もダメ、となるとどうしたらいいのでしょうか?
「感情の壁」を取り払って相手のニーズを聞き出すために、何よりも最初にするべきことは、相手の感情に「共感する」ことです。「共鳴」と「共感」、同じような意味に捉えられがちですが、微妙に違います。
どちらも「私もあなたと同じ状態になれば、同じように感じます」という気持ちを表すことですが、「共鳴」には「私も〇〇なんだよね〜」という、自分の意思や考え、解釈が含まれています。
「共鳴」ではなく「共感」が大切
一方で「共感」は、自分の考えは一切入れずに、ひたすら相手の気持ちになって(立場に立って)、「そうなんだ。わかるよ」と言ってあげることです。
相手の感情に「共感」する受け答えとは、次のようなものです。
このように「共感」することで、2人の間に立ちはだかっている「感情の壁」が徐々に消えていくはずです。
感情の壁がなくなった、つまり「ああ、この人は私の気持ちを理解してくれている」と思ってもらえたあとで、「本当は将来どうしたいんだ?」という質問をすれば、部下は、「実は、私は将来こういうふうに生きていきたいと思っているんです」と本音を話してくれるでしょう。
「この人は私の感情を認めてくれる」「私の思いを受け止めて(受容して)くれる」と思ってもらえる状態、つまり、この「感情の壁」がなくなった状態こそが「信頼関係」が生まれていると言えるのです。
信頼関係が築けて初めて、相手の本当のニーズを聞き出せます。「部下はなぜ本音を話してくれないのか?」と悩まれている上司はたくさんいらっしゃると思います。部下の本音としては、「上司にこんなことを言ったら、怒られるか笑われるに違いない」と思っているのです。
日々の行動の中で、何かを相談したときに、共感ではなく、いつも正論や一方的なアドバイス、自分の経験談で返してくる。そんな人に対して部下が本音を話すはずがありません。相手の本当のニーズを聞きたいなら、その人が話している言葉の裏側にある感情に対して、しっかりと共感を示さないといけません。
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