4月生まれは「能力が高い」と言われる本当の理由 生まれた月の差ではなく学習機会の差が原因だ
私たちは常に「飲み込みの早い子」を愛でる一方、なかなか立ち上がらない子をごく短い期間で見限ってしまうという、とても良くない癖を持っています。なぜそういうことが起こるかというと教育のためのコストが無限ではないからです。
これは会社における教育投資でも、社会資本としての教育機会であっても同じことですが、私たちは「より費用対効果の高い子」に教育投資を傾斜配分してしまう傾向があり、そのため初期のパフォーマンスの結果によって、できる子はさらに良い機会が与えられて教育される結果、更にパフォーマンスを高める一方、最初の打席でパフォーマンスを出せなかった子をますます苦しい立場に追いやってしまう、ということをしがちです。
しかし、こういうことを続けていると「物わかりの早い器用な子」ばかりを組織内に抱える一方、噛み砕くのに時間はかかるけれども本質的にモノゴトを理解しようと努める子(つまりイノベーションの種子になるアイデアを出すような人)を疎外してしまう可能性があります。
そして、そのような「いい子」ばかりになった組織は、やっぱり中長期的には脆くなってしまうと思うのです。
短期的に判断するのではなく、長期的に見る
「4月生まれの子は成績もいいしスポーツもできる」という、発生学から考えればとても不自然な事実は、私たちに、人を育てるに当たって最初期のパフォーマンスの差異をあまり意識せず、もう少し長い眼で人の可能性と成長を考えてあげることが必要だ、ということを教えてくれるように思います。
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