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現場の士気をぶっ壊す「残念な経営者の失言」3選 「働き方改革」ではなく、「働かせ方改革」である

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  • 小柳 はじめ Augmentation Bridge(AB社)代表、元電通「労働環境改革本部」室長
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そして、何か大きな障害に当たると、あっさり自然消滅する。そのときプロジェクトの責任者を拝命して陣頭指揮に当たっていた人たちも、ハシゴを外されるのはたまらんとばかり、なんなら「プロジェクトなんか最初からなかった」ということにしてしまう。

そんな状況で、「現場の知恵で、うまくやれ」と言っても、社員が率先して動くはずはありません

社長が新卒入社・内部昇格の場合は、「昔の自分を棚に上げてよく言うよ」となるのがオチです。

社長が発信すべきメッセージの3条件

社長からの発信のポイントは、次の3点です。

①具体的な施策を、現場に丸投げせず、トップダウンで指示することを約束する
②その施策は現場が「少しだけがんばればできること」に限定することも約束する
③トップダウンの期間には期限があることを明示する

この3つを、社長が自ら繰り返し発信してください

①は、たとえば、導入すれば実際に時短なり効率化が進むと期待できるシステムやツールの類いです。こうした「手土産」によって具体的に時短できる結果を見せなければ、《現場》はけっして話を聞こうとはしません

電通の場合で言うと、その1つが、当時最先端のRPAでした。

さらに電通の時短改革では、山本社長が2年間という「トップダウンによる《現場》への介入期限(③)」を設定していました。

それは、一義的には「労働環境改革を2年で終わらせる」という強い意思表示であり、世間へのコミットメントでありました。しかしそれと同時に、《現場》に対する「いつまでも『自治権』を侵してトップダウンの経営をするつもりはない」という約束にもなっていたわけです。

それがなければ、「今後『政体』が変わるのか?」「まさかGAFAMっぽいトップダウンの会社になりたいのか?」などと要らぬ疑心を生んだかもしれません。

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【「働き方改革」という言葉の強烈な違和感】

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