現場の士気をぶっ壊す「残念な経営者の失言」3選 「働き方改革」ではなく、「働かせ方改革」である

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そのNGワードとは、次の3つです。

①「現場で考えろ」
②「うまくやれ」
③「それをどうにかするのがきみたちの仕事だろう」

いずれも平時には「管理職」たちによって愛用されている言葉です。しかし改革の際には、これらの言葉は現場のやる気を削ぎ、改革をストップさせる効果しかありません。

社員は経営者の言葉を冷ややかに見ている

社員は、経営者がときどきぶち上げる華々しい改革宣言を冷ややかに見ています

DX、ESG(日本では「SDGs」)、パーパス、デザイン経営……などなど、そのときおりおりのテーマが、入れ代わり立ち代わり現れます。

それらの経営テーマに罪はありません。問題は、経営者が、それらの実相と真の影響を理解したうえで口にしているとは「誰からも」思われていない、ということです。

それによって本気で会社を根本から変えよう、その変化についてこられない社員が相当数いるのもやむを得ない、とまで「覚悟」を決めているのか。

言いかえると、経営者にとって、そのテーマは「これだけは何が何でも実現したい、心の底からの欲求」なのか。

少なくとも社員のみなさんは、まさか(先輩の)あなたにそんな「本当の覚悟」があるとは思っていません。これまでどおり、いつもどおりの「やっている感」のアピールにすぎないと思っている。

これまでも、何回もこういう話はあった。ド派手に掲げられた「目標」や「宣言」の実現は、《現場》に丸投げされるだけ

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