社員の意識の低さを嘆く「残念な経営者」への直言 まず「会社が社員に強いているムダ」をなくそう

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どうせ経営陣は、誰かから何かを吹き込まれたに違いない。これまでも思いつきで「改革」と言い出したことは何回もあったが、毎度半年もすると熱はすっかり冷めていた。今回も同じだろう。

しかも経営陣は、自分自身で「改革」を手掛けることはない。いつでも誰かを「担当者」に指名して、丸投げする

そしてその「担当者」も、へたに社内で敵をつくったりしたら大損だから、熱が冷めるまでひたすら時間を稼いでいるだけだ。「社内ヒアリング」「アンケート」「第2回ヒアリング」「第3回アンケート」なんかをダラダラと続けて……。

かといって、みなさんにそのことを直言するほどの社員もいません。言いにくいことですが、あなたに対してそこまで大きなリスクを冒しても、得られそうなリターンはあまり大きくないからです。

「3つの原則」を貫けば時短は可能

では、どうすればいいのでしょうか。御社では「時短」は不可能なのでしょうか。

そんなことはありません。冒頭に挙げた「3つの原則」を貫けば、劇的な「時短」が達成できるだけでなく、会社が驚くほど変わり始めます

本書では単なる「ノウハウ」ではなく、「ノウハウを活かす」ために必要な経営者の「覚悟」を、みなさんと考えていきたいと思います。

まずは序章で、私が「長時間労働の象徴」と社会から非難された電通本社の「時短」にかかわることになった経緯から、ご説明します。

書籍『鬼時短』に掲載した【23の「やること」と58の「チェックポイント」リスト】はこちらからダウンロードできます
小柳 はじめ Augmentation Bridge(AB社)代表、元電通「労働環境改革本部」室長

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こやなぎ はじめ / Hajime Koyanagi

1965年生まれ、東京大学法学部卒業。

1988年電通入社。電通勤務の最後、2016年から18年まで、社長特命により電通自身の「労働環境改革」にたずさわる。全社の労働時間の大幅短縮を達成し、残業時間を60%削減した。削減時間は全社で1カ月当たり10万時間超に及ぶ。

2019年、53歳で電通を早期退職し独立。AB社代表として、数多くの企業に時短・業務改革の支援を続けている。

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