若者が「辞める」と言いだすダメ上司4つの特徴 肩書は「上司」思考は「部下」の厳しい現実

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では、上司と部下との違いは何なのか? それは、責任と権限の種類の重さだろう。上司には上司の責任があり、上司としての権限がある(もちろん、部下は部下の責任があり、権限もある)。

肩書が違うのだから、責任と権限の中身が変わってくるのは、当然だ。

しかし、このような責任と権限を意識していないマネジャーが増えている。まさに「部下化」している上司のことだ。その特徴4つを紹介しよう。

(1)低い視座
(2)受け身
(3)今を優先
(4)世間知らず

上司も目の前のことで「いっぱいいっぱい」

それでは、まず「(1)低い視座」から解説する。

昨今、多くの上司は組織のマネジメントよりも、目の前の仕事で頭がいっぱいである。ドンドン環境が変化しているため、自分自身の成果を出し続けることも昔ほど簡単ではなくなった。いくら経験が豊かであっても、である。

それだけではない。

40代、50代にもなると、過去に経験しなかった、さまざまなライフイベントに直面する。子どもの入学、卒業、結婚、親のリタイヤ、入院、看病、地域社会における役員就任など……。

仕事以外のことでも役割(責任と権限)が増え、心配事が増える。子どものこと、配偶者のこと、親のことで頭がいっぱいになることもある。

他にもある。

このままずっと同じ会社でいいのか。セカンドキャリアを考えて、学び直し(リスキリング)に力を入れるべきではないか。自分の将来についても悩みは尽きない。

もちろん部下のことは気にかけている。組織の目標達成にも意識を向けている。しかし、常に焦点を合わせられるほど余裕のあるマネジャーは少ない。

この感覚は、実のところ部下と似通っている。

目先の仕事や将来のキャリアについて思いを馳せること。自己成長について考えること。自分の結婚や子育てについて悩むこと。目先のことでいっぱいいっぱいになっている状態は、上司や部下も同じなのだ。

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