若者が「辞める」と言いだすダメ上司4つの特徴 肩書は「上司」思考は「部下」の厳しい現実
しかし、
「いま、ここ、わたし」
に焦点を合わせてしまう上司は、部下との衝突や軋轢を避けようとする。憎まれ役を演じられないのだ。
「どうして、最近の若い子は、もっと主体的に行動しないんでしょうね」
と私に愚痴は言っても、部下本人には、なかなか本音を伝えようとしない。今感じるストレスから逃れたい、とする傾向が上司にも強いからだ。
上司がZ世代の若者に完敗する事柄とは?
最後に「(4)世間知らず」である。
これは顕著だ。
「最近の若い子は、社会のことがよくわかっとらん」
昭和時代は、こう言って嘆く上司がたくさんいた。しかし、今は昔。社会人としての礼儀作法やマナー以外は、ベテラン社員のほうが、圧倒的に世間知らずである。
いろいろな場所で講演やセミナーをするが、参加する経営者、マネジャーの方々の情報感度は、悲しいほど低い。
目先の仕事については、さすがにプロフェッショナルであっても、猛スピードで変化する世界経済の情勢には、まったくついていけてない。
AI、脱炭素、SDGs、LGBTQといった、時代を彩るキーワードのみならず、心理的安全性、働きがい、エンゲージメント、リスキリング、DX……といった、身近なワードについても、上っ面の知識しかない。
むしろ上っ面の知識があればいいほうだ。
「わが社はみんな和気あいあいとしていて、心理的安全性が高いほうだと思う」
「リスキリングって、プログラミングとかデータサイエンスを勉強することだろ? 私には関係がない」
このように、確証性バイアス(都合のいい解釈をする思考の偏り)にかかって、誤解している人も多い。
目先の仕事に関係のない情報や知識を得ても「意味がない」と思い込んでいる上司たち。そんな上司を、今の若い人たちはどう見るのか。
25歳の若者は、否応なしに、50年や60年先まで考えなければならない。目先の仕事がいったい何年後まで存在するかわからない時代に、
「いま、ここ、わたし」
にしか目を向けていない上司を、果たして「ロールモデル」として見られるのだろうか。社会課題解決に強い興味を持つ若者であれば、なおさらだ。
今の上司が直面している厳しい現実はもちろん承知している。しかし、責任と権限を与えられている「上司」である以上、若い部下の指導を怠る理由にはならない。
新刊『若者に辞められると困るので、強く言えません:マネジャーの心の負担を減らす11のルール』では、現代の価値観に合わせながらも部下を一人前に育てる、「バランスのとれた」マネジメントのルールを11のテーマに沿って解説した。
ぜひ本書を参考に実践してもらいたい。
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